【遠藤徹の業界ココに注目】日本の自動車産業の強みを活かすべき時代が到来

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G7における会合の動向を見ると、カーボンニュートラルの実現に向けて、日本は欧米先進国の圧力にさらされているように見える。自動車は欧米勢が、電気自動車一辺倒の流れを2030年代の早い時期に実現すべきと圧力をかけている。

これに対して日本は電気自動車を中心にしながらも燃料電池車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、燃料の改善など、様々の技術でカーボンニュートラルを達成すべき努力をするといった戦略で臨んでいる。

こうした中で、日本の自動車メーカーは8社の乗用車と4社の商業車専業メーカーが存在し、それぞれのポリシーでカーボンニュートラル実現に向けた技術開発を急いでいる。オールラウンドな多様化でのアプローチ、欧米先進国と同様な電気自動車一辺倒化、電気自動車とハイブリッドの組み合わせなど、様々なアプローチで生き残るべく技術開発に取り組んでいる。

実はこうしたポリシーや取り組み方の違いが、日本の自動車産業の強みとなっている。欧米先進国は、電気自動車一辺倒によって内燃機関の廃止を目指している国やメーカーが多く存在する。ただ電気を作りだすのに、火力発電で原油や石炭を燃やすことまで否定していないので、カーボンニュートラルは簡単に実現できないのが現状である。それであるならば、再生可能な自然エネルギーの活用を目指すべきであろう。

日本の自動車メーカーが、電気自動車を中心にしながら様々の技術の組み合わせでカーボンニュートラルを実現すべく取り組んでいるのは正解と思われる。しかも、8乗用車主力メーカーと4商用車メーカーが競争と協力を組み合わせ、必死に技術開発に取り組んでいるのは、近い将来良い形で必ず実現できると確信している。

(遠藤 徹)

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