【河村康彦テストドライブ】ルノー・キャプチャー

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もっと売れても良いはず、と思えるルノー最新作

2013年春に開催されたジュネーブ・モーターショーでデビューをした、アライアンスを組む日産のジュークと多くのメカニカル・コンポーネンツを共有したルノーのコンパクトSUVが初代キャプチャー。ここに紹介するのは日本では2021年2月に発売されたばかりの、初のフルモデルチェンジを受けた2代目だ。

ボディ骨格は日産の新型ノートとも共通の、軽量と高剛性を売り物とする”CMF-B”と称される新世代アイテムに刷新され、ボディサイズはわずかに拡大。

一方で、エクステリアの全体的な印象は大きくは変わっていない。実は、日本ではその知名度は今ひとつだった初代モデルも、世界的には170万台以上を販売したというヒットモデル。そんな好評ゆえ、ここで敢えて大きくイメージチェンジを図る必要などなかったというのが、その理由の真相かも知れない。

2グレードが設定される日本仕様に、7速DCTとの組み合わせで搭載されるエンジンは、1.3リッターのターボ付き直噴ガソリン4気筒ユニット。1.3トンほどの車両重量に対して必要十分の加速力は示してくれるものの、「ターボブースト頼み」の感覚が強めというのも事実ではあった。

センター部にスマホとのミラーリングを可能としたタブレット状のディスプレイを配したダッシュボードは。上面がフラットな仕上げであることが特徴的。シフトセレクターを配したコンソールがフローティング・デザインであることも特徴のひとつだ。

アップライトな姿勢で着座することもあり、視界は全方向に良好。大きなダイヤル式の空調スイッチが操作性に優れる点も好印象だ。路面への当たり感が優しい乗り味だが、ボディの動き量は大き目。それでもハンドリング感覚は自然で、静粛性にも優れている。日本では地域によって、4WD仕様がないことがネックにはなりそう。それでも「もっと売れても良いはず」と思える最新ルノー車だ。(河村康彦)

〈車両本体価格〉299万円~319万円

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