【遠藤徹の業界ココに注目】販売店の拠点政策に変化の兆し

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最近、首都圏を中心に正規ディーラーの店舗を回って目立つのは、ショールームや敷地内に新車だけでなく、中古車も展示販売している風景が目立つようになったことである。以前だとスズキ、ダイハツなど軽自動車主力店以外はあまり見かけなかったが、最近はトヨタ以下日産、ホンダ、マツダ、スバル、三菱自動車の各正規ディーラーの店舗も珍しくなくなったように思える。

店舗の統廃合などで空きスペースができると、その場所で下取りした程度の良いクルマを商品化して展示販売したりしている。新車マーケットの縮小で売れ行き不振を中古車販売でカバーするといった事情もあるのかも知れない。

ユーザーにとってもメリットがある。最近の新車は電動化、安全対策強化などでフルモデルチェンジ、マイナーチェンジ、一部改良する度に価格が大幅に値上がりし、買いにくくなっている。それであれば値がこなれている高年式中古車を購入した方が得、といった考え方をするユーザーが増えるのも自然である。高年式であれば、自動ブレーキなど安全装置も標準装備されているので、安心してハンドルを握れるという側面もある。

新車を購入するために販売店を訪れたりすると、応対に出た営業スタッフから「ご希望の車種は新車ですか中古車ですか」等と言葉をかけられたりする。以前だと新車の販売オンリーだったので、こうした応対はなかった。営業スタッフのノルマは中古車であれば、新車1台分が2台相当になるのが一般的だから、即中古車部に回されたりするが、最近は素直に応じてくれる場合が多い。展示在庫車もパソコンやスマートフォンのタッチで瞬時に判明、紹介できるのでユーザーにとっても購入しやすくなっている。(遠藤 徹)

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