【河村康彦 試乗チェック】BMW・iX1 ピュアEVでもBMWらしさを

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外観でことさら独自性を強調せず、X1シリーズの一員という立ち位置

このコラムでも存在をお知らせしていた、世代交代を行ったBMWのX1シリーズに設定されたピュアEVバージョン。すなわち、このブランドのネーミングルールに従って、冒頭にピュアEVであることを示す”i”の文字を加えて『iX1』と名付けられたモデルをテストドライブした。

ちなみに、現在ラインナップされているBMW発のピュアEVは、『iX』のように骨格から専用に設計をされたモデルと、『i4』のようにそれをエンジン車と共有するモデルとに大別をできるが、iX1は後者に属する内容の持ち主。

よって、4500㎜という全長に代表されるボディのサイズや、2690㎜のホイールベースもエンジン車の場合と同様。ただし、WLTCモードで465㎞という一充電走行距離を達成させる66.5kWh容量の駆動用バッテリーを搭載することで、車両重量は2リッターのターボ付きガソリン4気筒エンジンを搭載する『20i』シリーズ比で、およそ400㎏の上乗せとされている。

実はiX1の場合には開口部は設けられていないものの、大型のキドニーグリルが与えられたフロントマスクをはじめ、そのエクステリアのデザインにことさらピュアEVであることをアピールする点は皆無。

後席使用時で540リッターに対して490リッター、後席アレンジ時で1600リッターに対して1495リッターと、数字の上ではエンジン車に対してやや減少はしているものの、それでも実用上では十分と思われるラゲッジスペース容量も確保をされている。

走りのテイストは、もはや「ピュアEVならではの言わずもがな」という印象で、静粛性に富んだ滑らかな加速感がまずは大きな特徴。と同時に、前後輪用それぞれにモーターを備える4WDシステムを採用することで、0→100km/h加速を5.6秒でこなす”準爆速”とも言えるスピード性能を秘めている点も見逃せない。

ちなみに、ステアリングホイール左側に装備するパドルは回生力のコントール用ではなく、10秒間有効なブーストモードを立ち上げるためのものというのも、BMW車らしいアイテムということができそうだ。

車両重量が2トン超であるにも関わらず身軽なハンドリング感覚を実現させている一方、その乗り味がしなやかさ、フラット感にやや欠ける印象があったのは、テストを行ったのが20㎜のローダウンが図られた”アダプティブMサスペンション”を採用する『Mスポーツ』のグレードであったことなども関係をしていそう。

2023年5月末にはディーゼル・エンジン搭載モデルも設定され、いよいよ多彩なパワーユニットからのチョイスが可能になったX1シリーズである。

(河村 康彦)

(車両本体価格〈iX1のみ〉:698万円)

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