【遠藤徹の業界ココに注目】EV化対応でメーカーと販社のスタンスに格差

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EV普及について国産自動車メーカーは日産、三菱自動車を中心にパンフレットを作成するなどして普及、PRに努めているスタンスが伺える。ところが第一線の販売店では、今のところあまり熱心でないような素振りが伺える。

営業スタッフにとっては毎月のノルマがあり、どうしてもハイブリッド車を優先する傾向があり、ユーザーにも薦めやすいからである。ユーザーが興味あるのは燃費と使いやすいハイブリッド車だから、航続距離に不安があり、価格の高い電気自動車の購入には二の足を踏みがちになるといった事情がある。

軽自動車であれば近所への買い物や用足しで済むし、価格も比較的リーズナブルだから、電気自動車の普及に活路があるように思える。

となると当面はセカンドカー、サードカーとしてのニーズであり、ファーストカーではないということになる。すでに発売している各社の電気自動車をみると、ほとんどが購入申し込み後半年以内の比較的短い期間で納車が可能となっている。ハイブリッド車が1年半以上もかかるケースが多いのに比べると、大きな違いである。

それだけマーケットニーズに差があるといえるだろう。販売店にとって電気自動車を優先的に売るメリットは少ない。今後、電気自動車を優先的に売る必要が発生するまではこうした状況が続く可能性が強い。

ガソリンスタンドに行けば数分で給油ができ、日本国中どこでもOKといった現状は捨てがたい。カーボンニュートラルはハイブリッド車、プラグインハイブリッド車である程度クリヤーできるので、社会的に見ても納得しやすいという事情もある。普及をより強力に進めたいのであれば、販売店の啓蒙が必須といえそうだ。

(遠藤 徹)

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