従来型に比べインテリアの質感が向上
フォルクスワーゲン(VW)発のSUVの中にあっても、「デビューから4年で世界累計販売台数が100万台を超え、日本でも2021年通期の登録台数が7200台を突破して、輸入SUVのカテゴリーで同じVWの『T-クロス』に次ぐ第2位の登録台数となる記録」と、その販売の好調ぶりが伝えられるのが『T-ロック』。そんな人気のモデルがマイナーチェンジを果たして再度上陸。早速テストドライブを行った。
実はそのリファインのメニューの中には、「最高300PSを発するターボ付きの2リッター直噴ガソリンエンジンを搭載し、4WDシステムを介して0~100㎞/h加速をわずか4.9秒でクリア」と、ホットなパフォーマンスが伝えられる新バージョン『R』グレードを追加といったビッグニュースもあるものの、残念ながらそれはまだテスト車の準備が整わず、”お預け”という状態。
ということで、今回乗ったのは1.5リッターのターボ付き直噴ガソリンエンジンで前輪を駆動する、ベーシックな『TSI スタイル』というグレードだ。
ブランニュー・モデルとして日本への導入がスタートしたのが2020年7月なので、異例に早いマイナーチェンジとも受け取られそうだが、実は欧州では2017年に発売済み。手に入れて間もないというユーザーにはちょっと気の毒な印象もあるが、5年ぶりのマイナーチェンジとなればまぁ順当なタイミングというところだろう。
前後バンパーに新デザインを採用するなど外観面の軽いリファインも見られるが、より声高に謳われているのはインテリアの質感向上。実際、ダッシュボードやドアトリムにステッチを施したソフトパッドが新採用されるなど、時に従来型で感じられたチープさは一掃された。決して「高級感漂う」といったイメージではないのだが、ゴルフに比べたりすると明確に1ランクの見劣りを覚えた従来型からすると、今度のモデルは”ゴルフのSUV”といった感覚で捉えようした時でも、その抵抗感が薄れたことは間違いない。
同一車線内の全車速運転支援システム”トラベルアシスト”が標準装備されたり、ダッシュボードにビルトインされていたセンターディスプレイが、ダッシュアッパーへと移動された上で大型化とされたりいった、機能や装備類のアップデートは、このブランドのリファインのメニューとしてはもはや定番。
走りの機能に関しては特に変更点は伝えられてはいないが、やや硬質な乗り味を筆頭に、質実剛健で安定感に富んだそのテイストは、やはりいかにもこのブランドのモデルならではという印象だ。
(河村康彦)
(車両本体価格:417万9000円)