三菱ふそうトラック・バス(以下「MFTBC」)は、MFTBCの主要株主で親会社であるダイムラートラック社(Daimler Truck Holding AG)がドイツ・フランクフルト証券取引所への上場手続きを12月10日付で完了したと発表した。なお、ダイムラートラック社の株式は、フランクフルト証券取引所の規制市場(プライム基準)において「DTG」のコードで取引される。ISINコードはDE000DTR0CK8、ドイツのWKNコードはDTR0CKとなる。
ダイムラートラック社は、カーボンニュートラルな輸送が求められる時代に商用車業界をけん引するべく、収益性の向上に向けて継続的に投資を実施。同社の株式をフランクフルト証券取引所のプライム市場に上場するとともに、40社に拡大されたドイツ株価指数(DAX)の構成銘柄に2022年第1四半期にも指定されると見込んでいるとしている。
今回の上場について、ダイムラートラック社代表取締役のマーティン・ダウム氏は、「今日という日は、ダイムラートラック社にとって歴史的な日です。125年にわたり、私たちのトラックとバスはダイムラーグループの一部でしたが、いま、私たちは上場企業として独立しました。当社の素晴らしくグローバルなチームとともに、企業としてのさらなる成功に向け、独立した企業としてのクリエイティブな機会を活用できることを楽しみにしています。当社の社員、お客様、そしてもちろん株主の皆様、すべての人たちがこれによる利益を受けることができます」と語った。
ダイムラートラック社は「FUSO」「バーラト・ベンツ」「フレートライナー」「メルセデス・ベンツ」「ゼトラ」「トーマス・ビルト・バス」「ウエスタン・スター」の七つのブランドを傘下に束ねており、高度な技術的専門性とカスタマーのニーズへの配慮によって、サステナブルな輸送を成功させることを目指している。
同社は、上場企業として電動化を加速するとしており、一例として2030年までにバッテリー式電気車両と燃料電池車を全体の売上の6割までの引き上げを計画。同社にとって、この二つの技術には互換性があり、かつ不可欠なものであるとし、バッテリー式電気トラックは都市内の商品配送のような物流輸送に用いられ、水素による燃料電池車両においては将来的にカーボンニュートラルな長距離のトラック輸送に必要となるとしている。
またMFTBCは、ダイムラートラック社の目標に沿い、2039年までに、日本と欧州、北米における新車全てのカーボンニュートラル化を計画しているほか、燃料電池車両の2020年代後半の量産化を目指すと述べている。