フォルクスワーゲン、欧州工場の電動化を推進 ウォルフスブルグ本社敷地を変革

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フォルクスワーゲン グループは10月9日(独現地時間)、5ヵ年計画「プラン ニング ラウンド 70」の枠組みの中で、2025年までに電気自動車の世界市場でリーダーになるという目標の達成を目指し、ヨーロッパの工場をさらに電動化することを決議したと発表した。

今回の決議について、フォルクスワーゲンAG監査役会会長ののハンス ディーター ペッチュ氏は、「本日承認された決議は、フォルクスワーゲン グループがいかに固い決意で変革を推進しているかを示しています。当社の投資は、すべての主要な側面におけるモビリティの未来と、グループ戦略の体系的な実行に焦点を合わせています。私たちは、非常に強固で健全な財務基盤により、必要な投資額を自己資金で調達することが可能です。そのため、これらの投資に対する決定が、フォルクスワーゲン グループを将来の成功へ導くと確信しています。」と語った。

電動化促進のため、グループでは「NEW AUTO」戦略の実施を積極的に推進し、本社所在地と生産拠点を兼ね備えているウォルフスブルグを変革させ、未来のテクノロジーに対する投資を増やすことで、グループの競争力を強化すると述べている。主にe-モビリティおよびデジタル化に向けられる未来に対する投資額は、今回初めて総投資額である1,59 億ユーロの56%に相当する、過去最大となる890億ユーロを投資する。さらに、多くのヨーロッパの工場を包括的に電動化することで、さらなる相乗効果を生み出し、スケールメリットを活用する予定としており、ニーダーザクセンにある工場だけで約210億ユーロを投資。そのほとんどを車両生産と部品生産拠点に使用する。

ウォルフスブルグ工場では、2023 年から「ID.3」を部分的に生産することに合意、2026年以降に「プロジェクト トリニティ」の実施が承認され、新たな派生モデルについては次の5ヵ年計画での検討が決定された。現在の工場敷地外に新しい工場を建設することを検討している「プロジェクト トリニティ」では、将来に向けた生産体制を確立しながら、革新的で競争力のある次世代の電気自動車および自動運転レベル4に対応した車両を生産することを目指している。2030年までには、現在の工場敷地内に電気自動車を生産する2番目の最先端工場を建設することを計画。この場所は、ヨーロッパで最も近代的な研究開発センターであるサンドカンプ キャンパスにより、その機能が補完されるという。

グループは、5カ年計画を更新するにあたり、「NEW AUTO」戦略の一環として、戦略的財務目標を達成するための道筋も定義することで、グループの競争力を大幅に強化する。グループの営業利益率を 8〜9%の範囲にすることを2025/2026年の戦略的目標と定め、同時に設備投資および開発コストは自動車部門の売上高の約11%に削減する。また、6〜7.5%の範囲に設定した2021年の営業利益目標は、定めた範囲の上限での達成を確認。納車台数は約90万台と予想され、自動車部門の調整後ネット キャッシュフローが150億ユーロを確実に達成される見込みであると新たに表明している。

2026 年までの総支出額における未来のテクノロジーに対する投資額の割合は、以前の計画の50%から56%に引き上げられ、前期計画の「プランニング ラウンド 69」よりも160億ユーロ多い合計約 890 億ユーロが、e-モビリティ、ハイブリッド化、デジタル化に割り当てられる。追加の投資は、主にグリーンディールの一環としてのe-モビリティへの切り替えの加速、自社製バッテリーのギガファクトリーの建設、バッテリー バリューチェーンの垂直統合に向けられる。

e-モビリティに対する設備投資および開発コストは、「プランニング ラウンド 70」で約50%増加して520億ユーロとなった一方で、BEVという純粋な電気自動車の生産加速に明確に焦点を当てることで、移行的なテクノロジーであるハイブリッド化への支出は、約30%削減されて80億ユーロとなった。全体として、BEVのシェアは現在の約5〜6%から、2026年には約25%への増加を予想していると述べている。

グループでは、2030年までに世界のモビリティ市場の売上高の約3分の1は、ソフトウェアベースのサービスによりもたらされると予想されており、その実現のため、2026年までの自動運転を含む製品および会社のデジタル化に、以前の計画から約10%の増加となる30 億ユーロを割り当てると述べている。

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