使い勝手も見た目もこだわりたい、人気ハイブリッド車のシフトレバー比較

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以前はどのクルマも同じような位置と形だったAT車のシフトレバー。しかし、シフト操作を電気信号で制御するシフト・バイ・ワイヤ技術の登場で、シフトレバーの位置や形の制約がなくなり、今では様々なタイプが登場している。操作のしやすさとともに、インパネ周りのデザイン面でも重要な役割を果たすだけに、その違いは各社各様。そこで今回は、各社のハイブリッド車を中心に比較してみよう。(編集部)

 

【コンパクトカー】

・トヨタ「ヤリス」

先代「ヴィッツ」から車名も一新。外観も大きく変わったヤリス。先進装備も満載なのだが、なぜかシフト周りだけは旧世代のまま取り残されてしまったかのような印象。もはやハイブリッド車は当り前、今さら先進感を演出する必要は無し、ということなのか。シンプル過ぎて寂しい感じもするが、その分、操作はしやすい。

ヤリス(HV)のシンプルなシフトレバー

・ホンダ「フィット」

先代の3代目フィットハイブリッドは、プリウス型の小型シフトレバーを採用。シフト操作すると、元の位置に戻る方式だ。しかし、最新の4代目ではオーソドックスなタイプに変更。見た目の先進感では退化したともいえるが、誤操作を防ぐという意味では安心だ。

先代の電子式から一転、新型ではストレート式になったフィットハイブリッド

・日産「ノート」

先代ノートe-POWERは、小さい丸型のスライド式。電気自動車感を演出したかったのかもしれないが、シフトレバーが小さく、かつ運転席から前方に離れているので操作のしやすさという点では今一つだった。

真ん丸の小さなシフトノブを採用した先代ノートe-POWER

新型も操作系としては基本的には同じだが、レバーの形状が大型化かつ角形に変更。位置も適切になり先代よりも操作しやすくなっている。見た目も高級感があり、室内空間全体との相性も良くなった。

新型ノートではスッキリした角形に

 

【SUV】

・トヨタ「ハリアー」

シフトレバーは先行してデビューした新型RAV4と共通だが、シフトレバーそのものというより、配置されるセンターコンソールの太さと装飾が上級感を感じさせる。シフトレバーは形状、位置ともにオーソドックスで迷うことなく操作できる。

シフトノブは上面が平らな独特な形で、手が置きやすい。シフトロック解除ボタンはその前方下部分に配置されている。

太いセンターコンソール中央に配置したハリアー

・ホンダ「CR-V」

シフト操作はレバー式ではなくボタン式を採用。ホンダではCR-Vの他、アコードやHonda eもこの方式だ。見た目の先進感は高く、出っ張りがないので、インパネ全体をフラットにデザインできる。ちなみに新型ヴェゼルはフィットと同じ通常レバー式を採用。

ボタン式の良いところは、小型レバー式のような操作ミスが少ないところ。ただどのシフトに入っているかはディスプレイを確認しないと分からないところは同じなので、やはり注意は必要だ。

CR-Vはボタン式で先進感は抜群

・日産 キックス

日産としては久々のニューモデルとして登場したキックスは、先代ノートe-POWERに似たタイプ。というかセレナe-POWERと同じものを水平に配置したような感じだ。先代ノートe-POWERに比べてシフトノブの形状は通常タイプに近くなり、操作性は向上している。小さすぎるシフトノブは使いやすいとは言い難いから、これが適正サイズと言えそうだ。

電子式だがシフトノブがやや大きくなり、操作性は向上

 

【ミニバン】

・トヨタ「アルファード」

トヨタミニバンのフラッグシップがアルファード。最上級Lミニバンにふさわしく、シフト周りも上質だ。

シフトレバーはハイブリッド車、ガソリン車ともにゲート式。シフトノブも大型で操作性は抜群だ。見た目の高級感という点でもやはり卓越した存在といえるだろう。

アルファードはゲート式でシフトノブも大きく、操作しやすい

なおトヨタミニバンでは「シエンタ」も同様のゲート式を採用。ヴォクシー/ノア/エスクァイアはハイブリッド車とガソリン車で異なっており、ガソリン車はゲート式、ハイブリッド車はプリウスに近いタイプを採用している。

 

・日産「セレナ」

セレナのシフトレバーは、ガソリン車が通常のストレートタイプ、e-POWER車は操作後に真ん中に戻る電子式を採用。シフトノブのブルーのアクセントでもe-POWERをアピールしている。

シフトレバーが水平に配置されるノートe-POWERやキックスに比べ、セレナの場合はやや立った状態で配置されているので、操作は分かりやすい。ただシフトレバーの形状がこの位置だと適切とは言い難く、運転席から遠いのは気になるところ。もう少し長いシフトレバーにしたいところだ。

キックスと似た形状のセレナe-POWER。運転席からちょっと遠いのが難点だ

・ホンダ「ステップワゴン」

セレナ同様、ガソリン車はストレート式、ハイブリッド車は電子式を採用。操作後センターに戻るタイプとなっている。ハイブリッド車のシフトは操作感が軽いのは良いのだが、ノブが短く、少し遠く感じられるのはセレナ同様。これも社外品が多く出ているので、気になる人は交換をお勧めしたい。

ステップワゴンも電子式
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