30代がちょっと懐かしいクルマたち(初代エクストレイル)

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『4人が快適で楽しい、200万円の「使える4駆」』

21世紀(2001年~)になって、今年でちょうど20年。西暦2000年(=平成12年)は、新世紀の幕開けを翌年に控え夢や希望が膨らむ…はずだったが、コンピューターがうるう年(2月29日)を認識できず、誤作動を引き起こし社会のあらゆる分野で混乱が懸念された「2000年問題」に揺れた年でもあった(結局、大混乱は起こらず安堵)。そんな、2000年の10月に、誕生したのが日産・エクストレイルの初代モデルだ。

いまでこそ、各メーカーがこぞって新モデルを投入するSUV(スポーツユーティリティビークル)であるが、当時はまだまだ“新参もの”のポジションに近かった感が否めない。このエクストレイルは、クロスカントリータイプの4WD(日産・サファリ、トヨタ・ランドクルーザー等)を購入したいが、価格面や燃費の悪さ、大柄ゆえの取り回しの悪さ…等で購入をためらっていた層に向けた、スポーツ性とユーティリティを両立させたモデル。商品コンセプトもズバリ「4人が快適で楽しい、200万円の“使える4駆”」として発売された(価格帯は185万円~282万5000円〈発売当時〉)。

スクエアなボディ

200万円は量販グレードの価格で、価格がコンセプトに加わるのもユニークだ。現在なら軽自動車にも通用しうるコンセプトといえそう。ボディサイズは全長4445㎜×全幅1765㎜×全高1675㎜で、最小回転半径は5.3mに抑えられ取り回しの良さは狙い通り。また、周囲のガラスエリアが広く、直線基調のスクエアなボディにより車両感覚もつかみやすかった。さらに、優れたパッケージングにより、後席を使用した状態で、ラゲージスペースに約1mの奥行きが確保されたのはありがたかった。

泥だらけのままでも気兼ねなく積み込める

一方、4WDシステムは、スイッチによるワンタッチでAUTO/2WD/LOCKが切り替えられるオールモード4×4を搭載。AUTOモードなら通常は燃費優先の前輪駆動(FF)で走行し、滑りやすい路面を検知すると電子制御により瞬時に後輪にもトルクが伝わる。優れた走破性と低燃費を両立させた。当初エンジンは直列4気筒2.0リッター(150PS)のみだったが、翌年2月に280PSを発揮するインタークーラー付2.0リッターターボも追加され、目的地まで快適な移動を、というニーズにも応えた。

車名のエクストレイル(X-TRAIL)の「X」には、さまざまな意味が込められており、その一つがエクストリームスポーツの「X」。特にラゲージスペースは、スノーボードやウォータースポーツ等、アウトドアでの使用を想定し、ウォッシャブルラゲージボードを採用。シートにも撥水加工を施し、汚れや水気をためらうことなく使えることが斬新だった。この“気にせず使える”部分は歴代モデルに引き継がれている。こうした、数々の徹底した“スポーツギア”ぶりは反響を呼び、瞬く間にベストセラーSUVとなった。

当時はまだ、日産を含めてセダンから派生したステーションワゴンが多くラインアップされていた頃。荷物をたっぷり積め、セダンと同じ感覚で運転しやすいクルマとしてステーションワゴンが幅を利かせていた。しかし、その後のセダン人気の衰退につれてステーションワゴンのモデル数も減少。運転のしやすさと優れた積載性、そして、悪路走破性を持つクルマとしてSUVがその役割を引き継ぎ、今の世界的な人気につながっている。

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