【ワンダー速報】レクサスLSマイナーチェンジ試乗!先代オーナーもこれなら納得できるはず!

all 試乗レポート

202012月に行われた、レクサスのオールラインナップ試乗会に参加させていただきました。

11月にビッグマイナーチェンジを行ったレクサスLSに試乗させてもらいましたが、LS2017年のデビューから毎年かなりの年次改良を行い、乗り心地や静粛性を高めてきました。果たして今回のビッグマイナーチェンジではどこまで進化しているのでしょうか? そしてライバルに対してのアドバンテージは?

■フェイスリフトでスッキリ。しかし期待のアドバンストドライブは現状は搭載されずに見送り

新型レクサスLSは、今回のマイナーチェンジで前期型から顔つきが変わりました。

前期型ではL字型のポジションランプ兼デイライトが3本に分かれていましたが、それが無くなり一本の太いアローヘッドに変更。さらに、薄型の三眼LEDロービームはライト上部に配置され、アローヘッドの下にブレードスキャンAHSRXから採用されたアダプティブハイビームシステム)が配置されました。

このデザイン変更により、フロントフェイスはスッキリした印象になりました。

新色「銀影ラスター(33万円のオプション)が美しいLS500h Executive

本来であれば今回のビッグマイナーチェンジを機に、国産初のレベル3相当の先進運転支援システム「レクサスアドバンストドライブ」が採用される予定で、搭載車には各種センサー用の穴がボディ各所に空くはずでしたが、202011月時点では採用が見送られたため、センサー用の穴も空かないデザインで統一されました。

今回のビッグマイナーチェンジでアドバンストドライブが見送られたことにより、初のレベル3の自動運転はホンダの新型レジェンドになりそうですが、いずれレクサスLSもアップデートが行われ、レクサスアドバンストドライブが採用されたモデルもデビューするはずです。

しかし、残念ながら販売済みの車両に対して後付けは難しいそうですので、購入時期には注意が必要です。

■和の伝統が織りなすインテリア。ナビがタッチ操作に対応

続いてインテリアですが、今回のマイナーチェンジを機に、12.3インチワイドのディスプレイが手前に移設され、タッチ操作が可能になりました。これにより利便性は向上したものの、手前に移設された画面はタブレットを取ってつけたようなデザインに変更され、インテリアのデザイン性が損なわれたという意見も散見します。

タッチ操作に対応するために手前に移設され、後付け感が増してしまったナビ画面は賛否両論

 

それ以外では、シートヒーターなどの物理スイッチがトラックパッド近くに追加されたり、全体的に利便性は向上しています。

また、最上級グレードのExecutiveのインテリアには西陣織のファブリックとプラチナ箔のオーナメントパネルの組み合わせもオプションで用意(66万円)。日本の伝統工芸とクルマの融合は、レクサスならではの世界観として喜ばれそうです。

西陣織&プラチナ箔の日本伝統工芸が織りなす美しいインテリア

インテリアの質感は他のレクサス車とは確実に一線を画しており、スイッチからドアトリム下部、さらにはポケットの内側まで文句のつけようが無いほど、素晴らしいものになっています。

ただ、メーターパネルだけはライバルのフラッグシップモデルに対して情報量も大きさも不足気味で、ここは新しい提案が欲しいところ。

間もなくデビューするメルセデス・ベンツの新型Sクラスでは、ARを用いたヘッドアップディスプレイも本国では実装されているだけに、レクサスLSでもフラッグシップらしい先進技術の登場に期待します。

■走りは初期モデルとは全く別物に!これが最初から出ていれば

最初の試乗車はLS500hの最上級モデルExecutiveです。新色「銀影ラスター」のラメの粒子が見えないほどの塗装は美しいの一言。ただし有償カラーで33万円となります。

現行型レクサスLSは、2017年のデビュー当時はハイブリッドもガソリンも、パワートレインはノイジーで振動もかなり伝わってきていて、「これでフラッグシップで大丈夫なのか?」と思ったほどでしたが、案の定、先代LS600hから乗り換えたオーナーを筆頭に酷評され、2018年・2019年と足回りやパワートレイン、さらに静粛性を上げるランニングチェンジが行われてきました。

2019年のレクサスのオールラインナップ試乗会でLS500hを試乗した際にも、モーターの出足のトルク感も昇圧された影響で、モーターのみで走り出せる領域も広がり、格段に静かに力強くなった印象でした。

そして今回、2020年のマイナーチェンジでも静粛性と乗り心地にさらに磨きがかかり、モーターでの走り出しからエンジンが始動した際の騒音・振動もほぼわからないほどシームレスに繋がるようになりました。

20182019年と改良を加えるたびに、硬すぎた足回りもマイルドになり、角の取れた硬質感は心地よいドライブフィールを与えてくれるようになっていましたが、それが今回のマイナーチェンジでさらに雑味が無くなり、スッキリとした中にも芯がある極上の乗り味に昇華したと言えるでしょう。

この乗り味が2017年のデビュー当時から出せていれば、先代LS600hのオーナーも満足だったはずです。

続いてはガソリンモデルのLS500 Version Lに乗り換えて試乗インプレッションです。

ガソリンモデルではV6 3.5Lのツインターボエンジンに細かい改良も加えられており、電動駆動方式で過給圧を制御するウエストゲートバルブの開度の制御を緻密にしたことで、アクセル開度に対するエンジントルクを高めて、従来よりもリニアな加速が可能になりました。

LS500ではシフトスケジュールの変更と使用頻度の多い走行領域でのエンジントルクの立ち上がりを向上させ、加速レスポンスを向上

さらに、従来モデルでは変速頻度がややビジーとの声もあった10ATではシフトスケジュールを変更、高いギアを維持したまま加速できる領域を広げたことで、よりトルクフルに走れる印象を受けました。

初期モデルではアイドリング時のエンジンからの振動騒音も気になっていましたが、今回のマイナーチェンジではほぼ気にならないレベルになり一安心。

ただ、絶対的な静粛性という意味では、LS500hのハイブリッドシステムのほうが静かな印象を受けました。

最後に試乗したのはLS500hF SPORTです。サスペンションなど足回りの設定が異なるのか、最初に試乗したExecutiveよりも微低速時のシャッキリ感があり、こちらのF SPORTのほうがドライバーズカーとして乗るなら好ましいと思いました。ただ、後席に乗った際など総合的な静粛性やコンフォート性はExecutiveのほうが好印象でした。

ドライバーズカーらしく、F SPORTでは後席のアームレストなどはVersion Lなどと比べると簡素化されています。見た目の豪華さならVersion LExecutiveのほうがわかりやすいでしょう。

自らが運転する社長さんなどには、F SPORTでも良いのではないでしょうか。

■高度運転支援「レクサスアドバンストパーク」を試す

最後に、今回のマイナーチェンジの肝でもある、アドバンストパークを試させてもらいました。

パノラミックビューモニターのカメラやクリアランスソナーの超音波センサー、夜間の認識性能を確保する赤外線ライトなどで車両の全周囲を高い精度で検知し、ほぼ自動で駐車を行ってくれる運転支援システムですが、これは本当に驚きました。

以前にヤリスのアドバンストパークを試したことがありましたが、アクセルやブレーキ、ステアリング操作は自動で行ってくれるものの、シフト操作だけは自分で行わなければならず、そのため切り返すたびにブレーキを踏んでシフトをRに入れたりDに入れたりを繰り返す必要があり、若干煩雑な印象を受けました。

一方、今回のレクサスLS500hに標準装備されたアドバンストパークは、アクセルやブレーキ、ステアリング操作はだけでなく、バイワイヤ化されたシフトのおかげでシフト操作まで自動で行います。

なので駐車したいスペースの横に停車して、アドバンストパークのスイッチを押して、駐車スペースを選択するだけで、ドライバーは周囲に注意しているだけで駐車が完了します。

かなり狭い駐車スペースでも自動で切り返しを行い、人間の目視では攻めきれないレベルの隙間でも接触せずに駐車を完了してくれました。

アドバンストパーク作動中の車両周辺の状況はディスプレイで確認でき、動く対象物や細いポール等を含む障害物を検知した場合には警報を鳴らし、ブレーキ制御も行うので安心です。

かなり攻めた駐車スペースだと逆に出庫するのが大変になりますが、ありがたいことにアドバンストパークでは出庫も自動で行うモードも用意されているので、こちらも至れり尽くせりです。

想像しているよりもかなり早く、しかも全自動で駐車してくれるなら、ボディが大きくて取り回しに苦労するレクサスLSでは積極的にアドバンストパークを使ったほうが良いと感じました。

先代LSから現行型の初期モデルに乗り換えて不満を感じているオーナーさんがいたら、後期型になって動的質感も格段に進化した新型LSに乗り換えるのも、アリなのではないかと思いました。

そのくらい、今回のマイナーチェンジした新型LSは前期型とは別のクルマに仕上がっていました。

このほかのワンダー速報の記事はこちら

[ドラヨス]
月間100万PVのブログ「ワンダー速報」と、登録者数14万人、月間440万再生以上(2020年12月29日現在)のYouTubeチャンネル「ワンソクtube」の管理人。
クルマ買うチューバーを自称し、2か月に1台のペースでクルマを購入してレビューするスタイルが好評。

ワンダー速報ブログ:https://wansoku.com/

Tagged