■トヨタ・グランエース登場!
今回の東京モータ−ショーでは、トヨタ自動車の豊田章男社長が「トヨタブースでは来年発売する車は置いていない」、との発言どおり、話題の新型車「グランエース」はメインのトヨタブースではなく、すぐ近くに設けられた「トヨタ車体」ブースでの展示となっていました。
グランエースのボディサイズですが、全長は5300mm、全幅は1970mmとレクサスLS(LS500/LS500h)を超える日本車離れしたサイズ。アグレッシブな顔つきも特徴的で発売されれば人気になることは間違いないでしょう。ただ、このサイズのクルマは都市部での駐車環境を考えると選択できる方はそれほど多くはないのが残念。
人気のミニバン「アルファード/ヴェルファイア」との差別化も気になりますが、アル/ヴェルについてはグランエースの発売後、ロイヤルラウンジグレードの廃止等、小変更が行われ差別化が図られるとの情報があるようです。
日本国内ではハイエースも人気がありますし、実用面だけではなく、アル/ヴェルに変わる新たなカスタム素材として従来のミニバンユーザーからの人気も出そうです。
■リヤビューはまさに「箱」?
リヤからの姿はご覧のとおり箱のような長方形スタイル。好き嫌いは分かれそうですがテールランプも大型でダイナミックなデザインで存在感は抜群です。自動車メーカーブースではないにもかかわらず、一般公開日には多くの方の注目を集めていました。
■グランエースの内装も豪華!
グランエースの内装も相当に豪華です。特にセカンドシートはゆったり感と質感の高さがわかりました。
サードシートおよびそのサイドウィンドウの大きさも特筆すべきもの。セカンドシートに関しては、新幹線でいうとグランクラスを彷彿とさせる仕上がりでしょうか。
旅館やホテルでもアルファードを利用している店舗をよく見かけますが、これからはグランエースに置き換えられるかもしれませんね。
ただし、運転席周りや各種スイッチ類の質感、樹脂部分の質感はそれなりという感じで、このあたり次期アルファード(ヴェルファイアと統合?)が発売されると見劣りする部分ではないかと感じます。最近トヨタブランドで標準採用化が進む、ディスプレイオーディオ(DA)やコネクティッドの仕様も気になるところです。
■グランエース搭載エンジンは豊田自動織機ブースで展示中!
グランエースに搭載されるエンジンは2.8リッターの1GD型クリーンディーゼル(1GD-FTV)ですが、エンジンのカットモデルが「豊田自動織機」ブースに展示中です。久々に国内市場に登場したディーゼルエンジンですので、グランエースが気になる方はこのブースは必見です!
■ヤリスは無料エリアの「ヴィーナスフォート」に展示中!
日本でも多くのユーザーを持つ「ヴィッツ」は2020年2月発売予定にフルモデルチェンジを敢行。
プラットフォームやパワートレーンを一新し、新型「ヤリス」として発売されますが、さりげなくレッドとブルーの2台が、青海エリアの商業施設「ヴィーナスフォート」2階に展示されています。
そのためモーターショーのチケットがなくても見ることができます。場所柄外国の方も多く、ヤリスの写真を撮影されていらっしゃる方も目立ち、PR場所としてはなかなかおもしろい試みと感じましたが、これが一般的には世界初公開なのには驚きです。ただ、場所が分かりづらいので、メインの青海会場にも展示してほしかったですね。
■ヤリスは「アクア」ユーザーにも刺さる?
写真撮影中、現在アクアにお乗りのご年配の夫婦が係員の方に質問されていました。
どうやら現在、トヨタ・アクアにお乗りでサイズもデザインも性能も気に入ったとのことですが、なかなかフルモデルチェンジしないし、最近のクルマはサイズも大きくなり、買い替えの食指が動かなかったのだが、このヤリスのハイブリッド仕様であれば是非買い替えたいとのこと。
ただ、すでに年金生活に入られているということで価格はぜひ「現行アクアよりも安価に!」との要望でした。
普段、性能向上とともに価格がアップするのは当たり前と思っている当方の心には響きました。生活必需品とも言えるクルマにおいては、良品を安価に提供するというのも自動車メーカーに課せられた使命と言えるのでしょう。
■ヤリスのインテリア
ヤリスのインテリアはシンプルな構成ですが、話題のディスプレイオーディオ(DA)を標準搭載。その他USB端子も搭載するなどスマホ全盛時代に適合した作りとなっていました。
なお、日本では残念ながら「電動パーキングブレーキ&ブレーキホールド」の搭載を断念し、レーダークルーズコントロールも全車速追従タイプではなくなりますが、これもコストアップを懸念しての判断・・・とのことで、新型「ヤリス」に課せられた良品を安価に提供するというコンセプトではやむを得ないものと考えます。
既に公開された欧州仕様では電動パーキングブレーキ仕様もラインナップされているので、日本市場でも将来的に派生モデル(GR/GRMN)などの登場際に搭載される可能性はありそうです。
■トヨタの意識改革?「TSS」アップデート
トヨタは車種に応じて予防安全装備(Toyota Safety Sense)の内容を細かく差別化しており、たとえば以前は上級車には「TSS P」(ミリ波レーダー+単眼カメラ)、安価な車には「TSS C」(単眼カメラ+レーザー)の2タイプをラインナップして差別化を図っており、その中でも車種ごとに機能・制御が異なっているなど基本的には高価格の車にはより手厚い装備をおごっていました。
今回、新型ヤリスにはトヨタ/レクサス陣営では初の「交差点での右左折時の対向直進車、横断歩行者への検知機能」を追加しているほか、コンパクトカーでは採用がなかなか進んでいなかった「ブラインドスポットモニター(BSM)」、前向駐車時に有用な「リヤクロストラフィックオートブレーキ」を搭載するなど、今までのトヨタブランドでは考えられない手厚いアップデートが行われています。
交差点での予防安全についてはトヨタのクラウンよりもアルファードよりもこのヤリスが進んでいることになります。
この流れ、ぜひともレクサスブランドにも浸透してほしいところ。いつまででも「レクサスLSこそが最上」ではなく、レクサスブランドはどの車種も「常に最上・最新の安全装備」、そしてこういった先進装備をフルモデルチェンジまで待つのではなくオンラインアップデートでの機能強化やハードウェアの変更が必要な場合は年次改良・マイナーチェンジで実施する、これこそがブランド力をさらに高めることに繋がるのではないでしょうか。
■新型「MIRAI」はメガウェブ2階で
レクサスファンには衝撃な発表だった新型「MIRAI CONCEPT」はメガウェブの2階の少し暗い場所に展示されています。そのため、新型ヤリスと同様、こちらもモーターショーのチケットがなくても見ることができます。なお、メガウェブの2階はヴィーナスフォートや近隣のレジャー施設(チームラボ ボーダレスお台場)との通り道でもあり、メガウェブの2階自体が非常に混雑しているので注意が必要です。
新型MIRAIについては、ほぼこのデザインで発売されるようで、実際そのスタイルは現行MIRAIのようにいかにも「特殊な車」という感じはなく、現行カムリを更に上質感を高めた高級セダン的なイメージがあり、新プラットフォームを採用し、駆動方式もFR化。そして航続可能距離も従来より30%以上伸びるなど完成度を高めています。価格的には新型クラウンの3.5Lモデルやすでにモデル末期となって開発がストップしている「レクサスGS」とオーバーラップすることも予想され、普段使いできるFRセダンとして注目せざるを得ません。
2020年のオリンピック時に選手村として活用される東京都中央区に建設が進む「HARUMI FLAG」には4000世帯もの住居が整備されるとともに、エリア内の住居や商業施設、FCバス、FCV水素エネルギーを供給するなど、いよいよ水素社会の実現も近づいています。既にハイブリッドカーが当たり前になったように、この新型「MIRAI」が普段使いできるFRセダンとして街中を走行しているのを見かけるのはそう遠くなさそうです。
■MIRAIのインテリアは非MIRAI的?
MIRAIは(補助金はあるにせよ)高価格帯になることが予想されますが、それに見合ったようにディスプレイはレクサスの上級車と同様、ワイド12.3インチディスプレイを備え、出遅れていたスピードメーターについても全面液晶表示を実現しています。
また非常に斬新なのがセンターコンソールの一等地に非接触型のワイヤレス給電装置の「Qi」が鎮座していること。従来これらはセンターコンソールの最前列やアームレスト内部の小物入れ等に「隠すもの」でしたが、このモデルでは「魅せる」方向にシフトしたのでしょうか。これは実用面で賛否分かれそうですが・・・(同乗者に見られたりして?)
ただし、MIRAIというネーミングの割には操作系は従来とそれほど変わりありません。レクサスESで採用されたデジタルアウターミラーの採用も不明ですし、ステアリングやシフト、センターコンソールのスイッチ類もまさにトヨタブランドそのもの、という感じ。このあたりはテスラ・モデル3などの新型車を見たあとだと(使いやすいかどうかは別として)「未来」という感じはあまりしないのが率直なところで、もう少し冒険しても良かったのではと感じます。
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[なまっくす]
レクサスを中心としたクルマについてのんびりきままにレポートをしている「のんびりなまけにっき」の管理人。
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