文・写真:編集部
都市型RVパークを拠点に、次の旅へ
新たなレジャーのカタチとして定着してきた車中泊。日本RV協会(JRVA)は、車中泊時の駐車スペースの確保や利便性の向上を図るため、駐車場などの一画に車中泊専用の有料宿泊エリアが設けられた施設「RVパーク」を全国に約60カ所展開している。その中でも、バンテック京都(京都市伏見区)に併設する「京都南鴨川RVサイト」は、他とは違うコンセプトを持つRVパークとして注目を集めている。
RVパークというと市街地から離れた山間部などにあるものが多いが、キャンピングカー製造大手のバンテックがプロデュースするRVサイトは、公共交通機関のアクセスにも優れる“都市型車中泊スポット”。昼は市内観光の拠点、夜はキャンピングカーで寝泊りといったプランも可能になっている。そこで今回は、鴨川RVサイトと周辺の観光スポットを紹介する。
京都観光の拠点となる待望の車中泊施設
キャンピングカーの旅で京都観光を計画したけれど、市内に車中泊に適した場所が無かったことで観光を諦めたというキャンピングカーユーザーもいるのではないだろうか。そんな人におすすめしたいのが「鴨川RVサイト」だ。
昨年誕生した鴨川RVサイトは京都駅の南側に位置し、鴨川と桂川の合流地点という京都観光には最適な場所に立地。名神高速・京都南ICからも程近く、近隣には飲食店や日帰り温泉施設もある。京都の中心部や嵐山まで続いているサイクリングロードも整備されており、店舗の西側から鴨川の河原に降りて散策することもできる。
サイト内は電源設備のある予約専用サイトを4台分確保し、一般サイトと合わせると最大14台の車中泊が可能。週末は予約で埋まっていることが多く、特に秋の紅葉シーズンは週末のたびに満車になるそうなので、予定が決まったら早めの予約を心がけたい。
設備面では、トイレは男女各1つ洗浄器付きのものを完備し、水道やゴミ箱、コインランドリー、コインシャワーもある。さらに、汚水タンクの洗浄機を用意するほか、セコムによる24時間のセキュリティなど、他のRVパークでは珍しい設備を備えている。また、キャンピングカーに不具合が発生しても、となりのバンテック京都で修理やメンテナンスを行なってくれるというのも心強い。もちろん、鴨川RVサイトはバンテック以外のキャンピングカーや普通乗用車も利用できる。
主要観光地へのアクセスも良好、
RVサイトから近い伏見エリアがおすすめ
RVサイトから京都の観光地へ行くのは公共交通機関やタクシーが便利。道路状況にもよるが、京都タワーや清水寺はタクシーで約20分の距離にある。また、キャンピングカーに自転車を積んできて、サイクリングロードから京都市内や嵐山を観光するという人もいるという。
とても1日だけで回ることができないほど充実している京都の観光スポット。その中でも特におすすめしたいのが、RVサイトからクルマで約10分の距離にある伏見エリアだ。伏見は、豊臣秀吉が築いた伏見城の城下町として栄え、良質で豊富な水に恵まれていたことから江戸時代から酒造家も急増し、銘醸地の基盤を形成。明治の後半には、天下の酒どころとして全国にその名とどろかせるようになった。坂本龍馬の定宿だった寺田屋をはじめ、酒蔵や文化財などの歴史的な街並みが江戸時代の息吹を現代に伝えている。
伏見は、黄桜、月桂冠、宝酒造をはじめ約20の酒蔵・蔵元を擁し、酒蔵の近くは清酒特有の果実のような甘い香りが漂う。月桂冠大蔵記念館に程近い「京の台所 月の蔵人」は、築100年の月桂冠旧酒蔵を改築し、情緒ある空間のなかで京料理や清酒を楽しむことができる。このほかにも酒蔵・蔵元直営店があり、清酒やお土産を買い求めて、クルマに戻ってからゆっくり晩酌を楽しむのもいいだろう。
RVサイトデータ
名称=RVパーク京都南 鴨川RVサイト
所在地=京都府京都市伏見区中島河原田町62
問い合わせ=TEL: 075‐601‐6166
鴨川RVサイトの予約はスマホのアプリかパソコンから
http://www.vantech.jp/rvsite/index.html
立ち寄りスポット[マップコード]
・RVパーク京都南 鴨川RVサイト[7 404 220*35]
・坂本竜馬ゆかりの寺田屋[7 346 224*15]
※「マップコード」および「MAP CODE」は、株式会社デンソーの登録商標です。
※ナビの機種によっては、高分解能マップコードに対応していない場合があります。
(本稿は2019年6月に新聞「週刊Car&レジャー」に掲載)