日産自動車は2月9日、災害等による停電時に、非常用電源として活用できる電気自動車(EV)を、必要な場所へスピーディかつ円滑に配備することを支援するデジタルツール「災害時EV救援アプリ」のプロトタイプ版をBellaDati社と開発し、神奈川県内の2自治体と実検証を実施したと発表した。
同取り組みは、神奈川県が推進する、ベンチャー企業の成長を加速させるためのオープンイノベーション促進事業「ビジネスアクセラレーターかながわ(BAK)」に参画している日産と、IoTシステム構築に高いノウハウを持つBellaDati社が、両社の強みを活かし、EVとリアルタイムデータの活用で「災害に強い社会づくり」に貢献することを目的に協業したもの。
【災害時EV救援アプリの概要】
「災害時EV救援アプリ」は、主に災害本部等を擁する自治体向けに開発。災害時、あらかじめ登録された公用車担当者やEVユーザーにアプリから救援要請が届き、ユーザーがEVの電力残量や位置情報等を回答することで、災害対策本部が避難所へ派遣可能なEVの情報を把握することが可能で、電力を必要としている避難所等の情報と場所、派遣可能なEVの情報を一覧で表示することで、災害対策本部におけるEV派遣場所の迅速な決定を支援する。
【トライアルの様子】
今回、横浜市西区(1/31)で行った実検証では、災害による停電時を想定して、災害対策本部が本アプリを通して登録されたEVのドライバーに救援依頼を一斉に送信した後、救援依頼を受けた各ドライバーが、現在地や対応可否、電池残量や支援できる時間帯等を回答するとともに、その情報を元に、災害本部より具体的な支援場所を指示するという一連のプロセスを検証。また、開成町での実検証(2/6)では、実際にEVを派遣し給電までを行う訓練と検証を行った。