日産自動車含む4社、AiCTコンソーシアムのもと電気自動車と業務用空調が協調したエネルギーマネジメントの実用化検証を開始

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日産自動車、ダイキン工業、TIS、マツモトプレシジョンの4社は12月19日、参画する一般社団法人AiCTコンソーシアム(以下「AiCTコンソーシアム」)のもと、再生可能エネルギーを活用して、電気自動車(以下「EV」)の充放電制御システムと業務用空調制御のデマンドシステムを組み合わせた新たなエネルギーマネジメントの構築に向けた実用化検証を開始したと発表した。

脱炭素化の実現に向けた再生可能エネルギーの有効活用には、電力の需給バランスを調整する「需給調整力」が必要となり、例えば、家庭やオフィスにおける電力使用量のうち、大きな割合を占める空調や給湯機器などのヒートポンプ設備の稼働を電力ひっ迫時に抑えるように制御すれば、発電量を増やすことなく、電力の需給バランスを保つことが可能となる。

今回の実用化検証は、マツモトプレシジョン本社(福島県喜多方市)において、同社が社用車として保有するEV3台(日産アリア、日産リーフ、日産サクラ)と、従業員が通勤に利用するEV1台(日産サクラ)の計4台を使用し、EVの充放電を自律的に行う日産の制御システムと、ダイキンの高効率空調機と空調制御デマンドシステムを組み合わせ、EVと空調における協調制御の検証を実施する。

マツモトプレシジョン敷地内の太陽光発電による再生可能エネルギーを活用しながら、EVの大容量バッテリーと業務用空調を高度なエネルギー制御技術で協調させることで、モビリティとしての利便性はそのままに、空調による職場環境の快適性も損なうことなく、効率的なエネルギーマネジメントの実現を目指し、持続可能な社会の実現に貢献する他、エネルギーの地産地消で電力コスト削減にも取り組むとしている。

さらに、今回の取り組みをベースに、将来のVPPプラットフォームとしての活用を目指し、TISのICT基盤技術を組み合わせたデータ解析や検証も実施。また、エネルギーの効率的な利活用においては、EV使用者の積極的な参加が不可欠であり、会津地域で利用可能な地域通貨「会津コイン」と連携し、電力ひっ迫時にマツモトプレシジョン従業員のEVから電力供給をした場合に、「会津コイン」のポイントを付加する仕組みの導入も検討する。

上記スキームによりマツモトプレシジョンにおいて実用化検証に取り組む新たなエネルギーマネジメントは、今後、喜多方市や会津若松市にある公共施設への導入も視野に入れており、地域全体での脱炭素化やエネルギーの安定供給を行う、国内初の取り組みへの発展も予定している。

今回の実用化検証に取り組む4社は、いずれも会津若松市で市民中心のスマートシティ実現に取り組むAiCTコンソーシアムに参画し、エネルギーの効率的な利用を通じた循環型社会の実現に向けて連携を強化する中で、同プロジェクトの実施に至り、今後も“地域企業におけるイノベーションモデル”を通じて、脱炭素化や経済の活性化に共に取り組んでいくと述べている。

 

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