HySEが水素エンジン基盤技術構築のためダカールラリー2024に参戦へ

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技術研究組合水素小型モビリティ・エンジン研究組合(HySE、小松賢二理事長=ヤマハ発動機・執行役員 技術・研究本部長)は10月18日、ダカールラリー2024に水素エンジン車「HySE-X1」で参戦すると発表した。

HySE-X1は、協力会社であるオーバードライブレーシング社(ベルギー)の車体フレームをベースに、燃料タンク(水素)や燃料供給系統の設置のため少々レイアウトを変更し、研究活動用に使用しているモーターサイクル用の水素エンジン(直列4気筒998㏄+スーパーチャージャー)を搭載した車両。現地での出走にかかる水素の補給やメンテナンス等の作業も同社が協力する。

HySE-X1がエントリーするのは、ダカールラリーに新設された“Mission 1000”カテゴリーで、水素エンジンや電動、バイオフューエルのハイブリッド等、カーボンニュートラルに向けた次世代パワートレーンの技術開発を自動車メーカーに促すことを目的としたもの。

HySEでは、走行環境の過酷さでは世界屈指といわれるダカールラリーに参戦することで、現実未知でかつ、容易に想像できない課題を早期に抽出し、水素エンジンの基盤技術構築を加速させるのが狙い。また、ダカールラリー参戦を通じ、HySEのプレゼンスや取り組みをアピールすることで、小型水素モビリティ実現に向けたグローバルで業界の垣根を超えた仲間作りを図ることも考えている。

なお、ジャパンモビリティショー2023(会場:東京ビッグサイト、開催期間:10月25日~11月5日)のモータースポーツプログラムブースで、参戦車両のモックアップが展示される予定。

HySEは2023年5月、小型モビリティ向け水素エンジンの基礎研究を目的に設立。国内の2輪メーカーであるカワサキモータース、スズキ、本田技研工業、ヤマハ発動機の4社が製組合員として、川崎重工とトヨタ自動車が特別組合員として参画している。これまでのガソリン燃料のエンジン開発において各社が培った知見や技術を元に、連携して小型モビリティ用水素エンジンの設計方針の確立も含めた基礎研究に取り組む。

 

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