ボルボ、新型EVのコンパクトSUV「EX30」を発表

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ボルボは6月7日(現地時間)、同社4車種目のEVであり初の小型プレミアムSUV「EX30」をイタリア・ミラノで世界初公開した。価格は約3万6000ユーロで、欧州およびその他一部の市場において注文受付が始まり、米国では予約注文が開始された。なお、日本国内の導入は未定となっている。

購入には、価格設定と透明性の高い注文プロセスを備えたサブスククリプションパッケージ「Care by Volvo」の利用も可能。スタート価格の約3万6000ユーロは、ガソリンエンジン搭載車と同等の価格で電気自動車のSUVが購入できるようになることを意味しているという。

EX30は、3つのパワートレーンとシングルモーター/ツインモーターの2種類のバッテリーを設定。充電間の移動距離が短いユーザー向けに、LFPバッテリーを搭載したシングルモーターのオプションを用意。リン酸鉄リチウムの化学反応を使用したLFPスタンダードレンジバッテリーは、コストパフォーマンスが高く、資源消費も少ないのが特徴だ。

最大限の航続距離を求めるユーザー向けに、NMCバッテリーを搭載したシングルモーター・エクステンデッドレンジを用意。同バッテリーは、リチウム、ニッケル、マンガン、コバルトを使用し、LFPバッテリーよりも効率的にエネルギーを生成。シングルモーター・エクステンデッドレンジは充電間の航続距離を最大480㎞まで延長が可能だ。

パフォーマンス重視なユーザー向けには、NMCバッテリーに追加のモーターを備えたツインモーターパフォーマンスのバリエーションを用意。この全輪駆動モデルは、最高出力315kW(428hp)を発揮し、0-100km/h加速で3.6秒を実現している。

また充電では、エクステンデッドレンジのツインモーターリエーションが最大153kW、スタンダードレンジが最大134kWの充電能力を備えており、25分強で10%から80%まで充電できる。

EX30は、ボルボ車の中で最も低いカーボンフットプリントを実現するように設計されており、生産とライフサイクル全体にわたる排出量削減に取り組むとともに、内外装の素材に配慮することで、20万㎞の走行時における総CO2排出量を30トン以下に抑えることに成功。

外装では、ロングホイールベース、大径ホイール、前後そろったオーバーハングが、バランスの良い洗練された印象としており、ボルボ車共通のトールハンマーヘッドライトがEVモデルであることを強調。車体色は、スタイリッシュなクラウドブルー、スウェーデン西海岸の岩に生える地衣類からインスピレーションを得たモスイエロー等、5色を設定した。

内装では、シンプルで洗練されたスカンジナビアデザインを採用し、4つの異なる世界観を表現したインテリアルームを設定。スカンジナビアの風景にインスパイアされた5種類のアンビエント照明のテーマの選択ができる他、スマートな収納を随所に設定。最適な画面操作ができるシングルスクリーンのUXや、Google搭載の最新版のインフォテインメントシステムを搭載している。

安全面では、交通量の多い都市環境で人々を守ることを目的とした技術を搭載。交通量の多い市街地では、車のドアが不意に開いて自転車の進路に入ってしまうことを自転車事故の大きな要因として挙げており、これを防ぐため、通行中の自転車や他の交通利用者の前でドアを開けようとすると、映像と音声で警告するドア・オープニング・アラートを搭載した。

また、衝突時に乗員を守るため、セーフティケージ、A、B、Cピラー、屋根が強化した構造設計となっているのに加え、高張力鋼で作られたシャーシやセーフティがバッテリーの安全性を強化。さらに、ファーサイドエアバッグや、先進のドライバーアラートシステム、新機能“交差点自動ブレーキ”、新世代パークパイロットアシスト、デジタルキー機能等を搭載している。

さらに、2024年にはEX30に特別仕様のクロスカントリーバージョンの追加を予告。同年の受注開始、同年後半に生産開始予定だ。このモデルは、ボルボのクロスカントリーの伝統を受け継ぎ、冒険を求めるユーザーのためのモデルとして記念すべきラインアップを展開するという。

EX30クロスカントリーは、フロント、リヤ、サイドのスキッドプレート、フロントバンパーとトランクリッドのブラックパネル、スタイリッシュなクロスカントリーのスタイル、ボンネットに施された小さなスウェーデン国旗を特徴とする他、より高い最低地上高、19インチのブラックホイール、特注タイヤを装着した18インチホイールのオプション等、多彩な特注仕様を用意するという。

 

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