日産など、持続可能な社会実現に向け「広島大学スマートシティ共創コンソーシアム」を設立

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国立大学法人広島大学(以下「広島大学」)、東広島市、住友商事株式会社、ソフトバンク株式会社、株式会社フジタ、 三井住友信託銀行株式会社、中国電力株式会社、復建調査設計株式会社、ダイキン工業株式会社、株式会社サタケ、日産自動車株式会社および株式会社イズミは2月15日、「広島大学スマートシティ共創コンソーシアム」を設立したと発表した。なお同日、記念講演および設立セレモニーを開催した。

同コンソーシアムでは、Society 5.0やカーボンニュートラル、デジタル田園都市国家構想などの持続可能な未来社会像実現のために、民間企業の持つノウハウと経営資源、行政機関のコミットメントを融合しながら、広島大学のメインキャンパスである東広島キャンパスを活用し、スマートキャンパスまたはスマートシティの形成に資する活動を実施。その成果を周辺地域に社会実装することでイノベーションを創出することを目的としている。

今後は、持続的な地域の発展と大学の進化をともに目指す東広島市・広島大学Town & Gown構想の実現に向け、産官学が連携し、様々なステークホルダーと共に、イノベーションを創出する環境の形成、学術研究、人材育成などの国際的な展開を推進し、日本および地域から世界の発展に寄与することを目指すとしている。

【「広島大学スマートシティ共創コンソーシアム」の活動】

  • 研究開発(Research and Development)
  • 人材育成
  • スマートシティ実装研究
  • 広報活動

【コンソーシアムにおける12者の活動】

<広島大学>

グローバル展開と地方創生の好循環により、2030年カーボンニュートラルの達成をはじめとする「持続可能な発展を導く科学」の実践を目指しており、SDGsやSociety 5.0の実現に向けて、米国アリゾナ州立大学や地域の自治体との連携をもとに国際展開を見据えた取組を進める中で、今回の取組はこの好循環を加速させ、広島大学を、ポストコロナの新しい時代に適合した世界最高水準の研究・教育環境にすることを目指す。

<東広島市>

「第5次東広島市総合計画」において、「未来に挑戦する自然豊かな国際学術研究都市」を将来都市像として掲げており、AIやビッグデータなどの先端技術を活用し、地域課題の解決に関する施策を展開するとともに、広島大学と一体となって「Town&Gown構想」を推進し、企業や大学との連携を通じて「やさしい未来都市」の実現を目指す。

<住友商事株式会社>

将来のスマートシティ形成を見据え、地域活性化と持続可能な社会構築の実現に向け、Society5.0実現に繋がるデジタル基盤整備やローカル5G等のDXインフラ構築を行うと共に、それらを活用するデジタルサービスの実証・実装を推進するほか、再エネ・省エネ・EV化等の施策も提案・推進し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する。コンソーシアムを通じてイノベーション、インキュベーション、街づくり、交通課題、農業振興等にも挑戦し、これらの成果を国内外へ発信し、展開する。

<ソフトバンク株式会社>

SDGsの達成を経営の重要事項と位置付けて、六つのテーマを重要課題として定め、その一つとして地域活性化に向けたICT(情報通信技術)の利活用を柱とした「DXによる社会・産業の構築」を掲げており、各地域の自治体などとの連携により、社会課題の解決や新たな価値の創出に取り組んでいる。コンソーシアムの取り組みにおいては、データ連携基盤を活用してサービス同士(キャンパス内外でのMaaSや、留学生や住民のための多言語コミュニケーション基盤など)が連携するモデルの早期の社会実装を目指す。

<株式会社フジタ>

2021年4月に「広島本店」を新設し、地域貢献と再開発、まちづくりへの参画を通して創業の地、広島の発展に取り組んでいる。これまで培った「まちづくり」の知見や防災・減災、環境配慮等のノウハウ、BIM/CIMを軸とした最先端のデジタル技術などを活用し、安全・安心を支え、多様な人々が共に暮らし、健康で生活をエンジョイできるスマートシティの実現を目指す。

<三井住友信託銀行株式会社>

「社会的価値創出と経済的価値創出の両立」を経営の根幹に掲げ、社会課題解決型の新たな金融仲介機能の発揮によって、地域経済の中軸を担う自治体、大学、企業等のステークホルダーの 有機的な繋がりの結節点となり、地域経済エコシステム構築へ貢献することを目指す。産学官民連携を通じた地域課題の解決やまちづくり等における資金供給と社会実装を支援していくことで、社会的価値を生み出す新たなイノベーションの創造に貢献する。

<中国電力株式会社>

「2050年カーボンニュートラル」への挑戦を掲げ、エネルギー供給を通じた脱炭素社会の実現と地域の発展およびカーボンニュートラルに向けた技術開発に取り組んでおり、再生可能エネルギー、蓄電池、電気自動車等の分散型リソースを活用したエネルギーマネジメントサービスや電化の推進によって、広島大学、東広島市およびコンソーシアム参画企業と相互に協力し、スマートシティおよび地域のカーボンニュートラル実現に貢献する。

<復建調査設計株式会社>

戦後からの国土復興を目指し広島にて創業して77年、総合建設コンサルタントとして培ってきたノウハウと、共創コンソーシアムより生み出されるイノベーションや先端技術を融合することで、次世代に必要な社会インフラの新たな価値を創造し、地域とつながり、時代とつながる“アップデートし続けるまちづくり”に貢献する。

<ダイキン工業株式会社>

戦略経営計画「FUSION25」の成長戦略として「カーボンニュートラルへの挑戦」「顧客とつながるソリューション事業の推進」「空気価値の創造」を掲げており、ZEB化の推進や水力、地中熱といった自然エネルギーを有効利用した空調システムへの挑戦など、テクノロジーを活用した機器やサービスソリューションを通じて環境と空気の新たな価値を提供し、スマートシティやサステナブル社会の実現に向け貢献する。

<株式会社サタケ>

食品全般に関わる加工機械および食品の製造販売などを行っており、創業以来積み上げてきた米の加工技術を核とし、穀物乾燥調製施設など収穫後の全工程で使用される機械設備・施設を、国内はもとより世界約150か国に供給。また、環境負荷の低い新型無洗米装置やバイオマス発電プラントなど時代を見据えた新たな事業展開を行っており、六次産業化による中山間地域の活性化にも取り組んでいる。それらの知見やノウハウと、コンソーシアム参画企業との連携を深めることで、地元企業として広島大学スマートシティの実現に貢献する。

<日産自動車株式会社>

コンソーシアムでは、EVカーシェアリング等の導入を通じて、EVを環境に配慮した周辺地域の柔軟な移動手段として提案すると共に、走る蓄電池としてのEVと日産の充放電制御技術を採用したエネルギーマネジメントにより、再生可能エネルギーを最大限活用した地産地消型カーボンニュートラルの実現を目指す。

<株式会社イズミ>

東広島市において、ゆめタウン東広島・学園・黒瀬、ゆめマート八本松に加え、2022年10月には市内5店舗目となる「ゆめモール西条」をオープン。コンソーシアムに参画することにより産学官民一体となった取り組みに、小売業としてより便利に、よりスマートな買い物を提案するほか、各店舗を地域活性化の拠点として活用できるよう取り組む。

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