【遠藤徹の業界ココに注目】半導体を中心とした部品供給の遅れによる納期先送りがさらに拡大

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半導体を中心とした部品供給の遅れによる、新車の納期先送りは最近になってさらに拡大する方向にある。これまでハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)など電動車両が多かったが、最近はガソリンNA車から安全性、利便性向上のためのオプション装着部品まで拡大し、これらが納期遅れを助長する要因になっている。

HVはこれまで、主にここ1~2年の間に投入されたニューモデルが納期遅れ状態になっていた。1年以上の待ちになると、生産継続に支障が生じ、オーダーストップとなる車種が目立つようになった。そうすると、ガソリンNA車を買わざるを得なくなるから、こちらの購入に集中しこちらも先送りが加速する状況に追いやられている。

オプション部品はパノラミックビューモニター、アラウンドビューモニター、ブラインドストップモニター、ナビ、ドライブレコードなど安全性、利便性向上などのデバイスが代表例として上げられる。後付けが可能な部品については、車両本体を先に納車することも可能だが、メーカーオプション部品だと後付けができないので、車両全体の納期に影響することになる。

EVやPHEVなどは、半導体を中心としたサプライヤーからの部品供給が多くなるで、納期遅れへの影響がさらに大きくなる傾向がある。こうした状況はいつまで続くのだろうか。正常化するにはまだ1年以上もかかるとの見方がある。

自動車メーカー各社は電動化の流れの中で、対応する新型車を今後数多く投入する方向にあるが、各モデルとも納期が長くなり、発表と発売がずれる傾向も顕著になっている。

(遠藤 徹)

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