トヨタ、新型「プリウス」を公開 今冬発売予定

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トヨタは11月16日、5代目となる新型「プリウス」を世界初公開した。発売はシリーズパラレルハイブリッド車(HEV)が今冬、プラグインハイブリッド車(PHEV)は2023年春頃を予定。今後、日本をはじめとして、北米・欧州などに順次グローバル展開するとしている。なお国内では、サブスクリプションサービス「KINTO」でも購入可能で、具体的なプランの詳細については今冬の公表を予告している。

新型「プリウス」は、プリウスのあり方をゼロから考え、プリウス自身が生まれ変わり、そしてもっとハイブリッドの魅力を周知するために生み出された「Hybrid Reborn」というコンセプトものもと、強みである高い環境性能に加え、「一目惚れするデザイン」と「虜にさせる走り」を兼ね備えたクルマを目指して開発が行われた。

 

 

【スタイリッシュなエクステリアデザインに一新】

ボディサイズは全長4500×全幅1780×全高1430mm。先代に比べ全長は25mm、全幅は20mm拡大した一方、全高は40mm低くなり、ワイド&ローなプロポーションとなった。

エクステリア全体は、プリウス独自のアイコンである「モノフォルムシルエット」を継承しつつ、第2世代TNGAプラットフォームにより、さらに低重心化を図っているほか、19インチ大径タイヤの採用よって、よりスタイリッシュなプロポーションに一新。シンプルかつ抑揚のあるボディ造形は、長く愛されるための「感性に響くエモーション」と「普遍的な美しさ」を表現しているほか、ハンマーヘッドをモチーフとした機能性とデザイン性を高次元で両立したフロントデザインと、薄型一文字のリヤコンビネーションランプを配したリヤデザインで、プリウスの持つ先進性を強調している。

ボディカラーは全8色を設定。うち2色は、スポーティな印象を与えるソリッドカラーベースの「アッシュ」と「マスタード」を新規に開発した。

 

 

【スポーティかつ上質感を両立したインテリア】

「アイランドアーキテクチャー」コンセプトにより、圧迫感のない広々とした空間と運転に集中しやすいコックピットを両立。黒を基調した室内全体に、インストルメントパネルとシートステッチの加飾を配し、スポーティでありながら新しい上質感を演出している。インストルメントパネルには、トヨタ初採用の「イルミネーション通知システム」を設定。トヨタセーフティセンスと連動する新機能をデザインに取り入れており、対象物を検知した際、アラームが鳴る前にイルミネーションの点滅でドライバーへ注意喚起し、より安心なドライブをサポートする。

 

 

【第5世代ハイブリッドシステムにより、高い加速性能と静粛性を実現】

パワートレーンは2Lのプラグインハイブリッド、2Lと1.8Lのハイブリッドの合計3種類を設定。まずトヨタ初採用となる2Lプラグインハイブリッドは、高効率のダイナミックフォースエンジンと、高出力の駆動用リチウムイオンバッテリーの組み合わせで、従来型同等の低燃費を維持しながら、164kW(223PS)のシステム最高出力を達成。加速性能は0-100km/h加速で6.7秒を実現するなど、圧倒的な動力性能を実現している。

EV走行距離は従来型に比べ50%以上向上を図っており、日常生活の大部分をEV走行だけでカバーできるよう、バッテリー性能を向上。また充電中にパワースイッチをオンにすると、外部電源の電力を利用してエアコンやオーディオの使用が可能になる「マイルームモード」を設定した。

また従来ラゲージ部にあった電池パックを、リヤシート下部に搭載することで、低重心化とラゲージスペースの拡大を実現。新型プリウスのスポーティな走りと、利便性の向上を両立している。

2Lと1.8Lのハイブリッドは従来型同等の低燃費を実現しつつ、加速感とレスポンスを向上。システム最高出力は2Lが144kW(193ps)、1.8Lは103kW(140ps)を発揮し、2L車では従来型比1.6倍の高出力を実現している。

駆動方式は最新のE-Fourを設定。高出力モーターの採用などにより、雪道などでの登坂性能や旋回時の安定性を向上させている。

【さらに進化した第2世代TNGAプラットフォームを採用】

熟成を重ねたTNGAプラットフォームをベースに、改良を施した第2世代TNGAプラットフォームを開発し、低重心化や大径タイヤの採用を実現。ボディの各所に補強を施すことで剛性を向上したほか、静粛性も向上。足回りでは、改良を加えたフロント : マクファーソンストラット式/リヤ : ダブルウィッシュボーン式のサスペンションによって、直進ではどっしりと、コーナーではドライバーの意図に応じた車両応答性、ライントレースのしやすさを実現している。

【最新の先進安全・運転支援システムを搭載】

先進機能を付与し、検知対象を拡大するなど、機能を向上した最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を標準装備したほか、高度運転支援システム「アドバンストパーク(リモート機能付)」を設定。様々な駐車シーンでスムースな駐車・出庫を自動で行うことができるほか、車外から専用スマートフォンアプリを操作することで、遠隔での駐車・出庫も可能とした。

また、アクセサリーコンセント(AC100V・1,500W)をセンターコンソール後端とラゲージルームの2か所に設置。エンジンを始動せずにバッテリーだけで給電する「EV給電モード」、バッテリー残量が低下するとエンジンで発電する「HV給電モード」が選択可能となったほか、給電時に室内への虫などの侵入や雨天での雨水の侵入を防ぐ外部給電アタッチメントを標準装備している。

さらに、限界まで開口幅を広げ、室内に開放感をもたらす「パノラマムーンルーフ」を設定。PHEVでは、太陽光をより効率よく電気に変える第2世代の「ソーラー充電システム」を設定し、1年間で走行距離約1,250km分に相当する電力を生み出すことが可能となっている。

ほかにも、フロントはトヨタセーフティセンスの単眼カメラ、リヤには電子インナーミラーの後方カメラを活用した車載型のドライブレコーダーを設定。カメラや配線の後付け感がない、すっきりとした見映えに加え、データはECUに保存することで、SDカードで起こりやすいデータ破損などのトラブルを避けることが可能となった。

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