【河村康彦 試乗チェック】フォルクスワーゲン・T-ロック R 300PSの強心臓!

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4WDの必要性が納得できる衝撃的な加速

2021年中に日本に輸入されたSUV中で、T-クロスに次いでナンバー2の登録台数を記録したというのが、同じフォルクスワーゲン発の『T-ロック』。そんなこのモデルに2022年7月に施されたマイナーチェンジを機に、新たに導入が開始された待望の追加バージョンが『R』のグレードを名乗る1台だ。

他のグレードが搭載するガソリンもしくはディーゼル・エンジンが発する150PSという最高出力値に対して、このグレードが専用で搭載するターボ付きの2リッター4気筒ガソリン・エンジンが発するそれは、実に2倍に当たる300PS。最大トルクも、ディーゼル・ユニットのそれが発する340Nmを大きく凌ぐ400Nmと、まずはその心臓がいかに強力かが思い知らされる。

最高出力300PS、最大トルク420Nmの強心臓がコレ

そんな強心臓が発する出力を受け止めるべく、走りに纏わる装備も専用のアイテムが満載。まずはT-ロック・シリーズの中で唯一となる4WDシャシーが与えられ、サスペンションのチューニングもこのモデル専用。シューズは19インチという大径のアイテムが標準で、さらに電子制御式の可変減衰力ダンパー”DCC”も、やはり標準で装備するという念の入れようだ。

荒ぶる走りをDCCが上手にいなしてくれた

当然、その走りのテイストも”普通のT-ロック”とは大きく異なっている。

多少のターボラグは認められるものの、ターボブーストがフルに立ち上がった際の加速は強力そのもの。これは、もしもFWD仕様のままだったならば激しいホイールスピンは免れないという印象で、まずはこの時点で4WDシステムが与えられたことによるありがたみが存分に感じられることになる。

大径19インチを履く

一方、専用のスポーツサスペンションに19インチのシューズを組み合わせることから、相当なハードさを覚悟したその乗り味は、確かに路面凹凸への当たり感こそそれなりに鋭いものの、その先サスペンションに入った衝撃は特に前出”DCC”でコンフォートのモードを選択した場合には、思いのほか上手くいなしてくれる印象。この程度であれば、リヤシートに招いたゲストからも、そう大きな苦情が寄せられることはなさそう。なかなか上手いところを突いた巧みな設定だ。

高性能とは裏腹に「R」の主張は実に控えめに

今回は、テストドライブの舞台が高速道路メインに限られてしまい、ワインディングロードに持ち込めなかったのが残念だったが、想像するにそんなシーンでも非凡な走りの能力を味わわせてくれそう。これまでとはまた全く異なる走りのキャラクターを備えたこのモデルの追加によって、T-ロック・シリーズ全体の間口が大きく広がったことは確実だ。

(河村 康彦)

(車両本体価格:626万6000円)

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