【遠藤徹の業界ココに注目】新車販売店で起きていること

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最近、首都圏にある新車販売店を回って気が付くのは、ショールームが人だかりでかなり賑わっているように見えることだ。それなのに関連団体が発表する新車の登録や届出台数は、毎月マイナス成長になっている月が多い。この理由は受注しても納車が出来ず、台数が十分に上がらないことが要因となっている。

サプライヤーからの半導体を中心とした部品の供給遅れで、自動車メーカーが思うように生産できないからである。受注してから納車できるまで、半年以上も必要になるクルマがざらにあるのが実情である。コロナ禍によって関連部品が供給できず、物流の滞りなどが理由として上げられる。

販売店では、ユーザーから希望があっても応じることができず、オーダーストップする車種も目に付く。ユーザーはあまり待っていると車検の時期が来てしまうので、購入を先送りしているケースもある。ポンコツ状態で乗り続けることができなければ、中古車の購入で間に合わせるユーザーも多い。こうなると中古車が玉不足になり、価格が跳ね上がったりしている。

半導体部品は自動車メーカーによって様々の取引先があるから、取り合い状態である。半導体部品の多い電気自動車やハイブリッド車は納車が遅れ気味になっている。メーカーやディーラーオプションでも、電装部品は供給が遅れたりして車種による格差も生じている。人気の高いモデルは受注が集中するから、納期が余計にかかる車種もある。

こうした半導体部品に起因した納期の遅れは、いつになったら解消されるのだろうか。1年以上、もしかしたら2年以上もかかると指摘する関係者もいる。じっとこらえるしか手はないようだ。

(遠藤 徹)

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