【エコツアーに行こう!】裏磐梯エコツーリズム協会(福島県北塩原村)

all レジャー アウトドア コラム・特集

裏磐梯の「宝」を学び、守り続けよう

裏磐梯は、明治21年に起こった磐梯山の噴火と、山体崩壊によって生まれた標高約800mの高原。南に見上げる小磐梯の崩壊壁や点在する流れ山、せき止めによって生まれた300を超える湖沼群など、火山由来の地形は100年以上の歳月によって緑に包まれ、貴重な自然景観として再生している。北部には噴火から逃れて生き残ったブナ林や、デコ平の傾斜湿原などもあって見どころは豊富だ。

流れ山の一つである中瀬沼展望台からは磐梯山の爆裂火口壁が望める

このエリアでエコツーリズム活動の情報収集と発信を行っているのがNPO法人である裏磐梯エコツーリズム協会だ。ここでは61種類が記録されているトンボ類を初めとする希少生物の生息調査や保護、生態系をおびやかす特定外来生物オオハンゴンソウ・ウチダザリガニ、磐梯山のコウリンタンポポなどの駆除活動のほか、気軽に参加できる体験プログラムも開催している。

ススキの葉でバッタ作り。こちらは8月中に開催されていたクラフト体験

また、ガイド向けでもある、より専門性の高い講座を開催しているのも特徴だ。自然だけではなく、かつて木地師の里でもあったこの地に伝承される「守り狐」の絵付け体験など、歴史文化を学び、体験するプログラムも用意されている。

水面を覆い尽くすほどの繁殖力で生態系に悪影響をおよぼすコカナダモの駆除活動

この協会を構成する会員には、エコツアーに関わる活動を行っている事業所も数多いが、その試験的な試みにも取り組んでいるから、出かける前にまず情報を集めておくのもいいだろう。これからは、紅葉の名所としても多くの人々が訪れる裏磐梯。でも、眺めて通り過ぎるだけではない、より深い魅力をエコツアー体験が味あわせてくれるだろう。

(上田 泰久)

【問い合わせ】福島県耶麻郡北塩原村桧原字剣ヶ峯/☎0241-23-7860
【アクセス】磐越自動車道・猪苗代磐梯高原ICより国道115号~国道459号で約30分
【ホームページ】https://eco-urabandai.com

■今後の主なプログラム

レンゲ沼探勝路 ワンコインガイド

ガイドがいるときのみ開催。9時~12時と13時~16時の1日2回。裏磐梯サイトステーションより、目の前のレンゲ沼を約30分~45分でガイドと一緒に1周して、その季節の花やチョウ、トンボなどを観察。料金500円(保険料含む)、1人から受付可能、最大5人まで。予約不要だが開催の有無は問い合わせを。

裏磐梯クラフト体験&森のトレッキング

毎週日曜10時~12時30分、レンゲ沼周辺のトレッキングのあとにクラフト体験を。裏磐梯サイトステーションで開催。定員8名(先着順)、参加費1100円~3000円(保険料・税込み。クラフト体験によって金額が変わる)。クラフト体験は5種類から選べる。守り狐絵付け体験880円、福を呼ぶふくろうバードコール絵付け1600円、自然物を使ったミニフレーム1000円、自然物を使ったフォトフレーム1500円、コケ玉・コケ盆作り(11月まで)1500円。電話または申込みフォームにて前日20時までに申し込みを。クラフト体験のみの参加もOK。☎080-2827-1687

森のトレッキングでのコケの観察

磐梯の宝発見講座

  • 9月13日(火)9時30分~12時:野生生物との共生 シカのおもしろ私生活(座学)
  • 10月6日(木)9時30分~12時:土壌の観察会 土壌の横顔から何が見える?(座学・野外観察)
  • 10月27日(火)9時30分~15時:晩秋の雄国沼散歩 近代遺産から植物まで(野外観察)
  • 11月22日(火)9時30分~12時:磐梯山噴火を背景に 3.11震災遺産展の解説と防災学(座学)

※いずれも定員20名ほど、3日前までに電話もしくはHPから申込みを。

Tagged