【河村康彦 試乗チェック】シトロエン・C4 SHINE BlueHDi 独自機構の足回りがもたらすやさしい乗り味

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SUV風味の強いちょっとハイトなハッチバック

滑らかなルーフラインがリヤエンドまで続く

日本では今年の1月に発売をされたシトロエンの最新モデル、『C4』をテストドライブした。2004年に登場の初代から数えると3代目となるのがこの新型。”ダブルシェブロン”のマークをフード中央の高い位置に配し、ヘッドライトをそれより一段低い部分に目立たないように置いた、昨今のシトロエン車に共通する個性的な顔つきが、まずは第一の特徴だ。

最新のシトロエンのフロントフェイス

全長×全幅は4375×1800㎜でホイールベースは2665㎜と、従来型よりも長さとホイールベースがやや伸びたが、日本でもまずまず取り回しの良さそうなサイズの持ち主と言えそう。

そんな新しいC4には”ピュアテック”と愛称が付けられたお馴染みの1.2リッター3気筒ターボ付きガソリン・エンジンに加え、1.5リッターの4気筒ターボ付きディーゼル・エンジン、そして「シトロエン初」が謳われるピュアEVと、3種類の異なる心臓部が用意されるのが大きな特徴で、このうち今回はディーゼル・ユニット搭載の『シャインBlueHDi』グレードをテストドライブ。価格は、ガソリンとピュアEV仕様の中間という設定だ。

1.5リッターの4気筒ターボ付きディーゼル・エンジン

ちなみに、ガソリン・バージョンと同様8速ステップATと組み合わされた心臓が発する最高出力は130PSと、これもガソリン・バージョンと全くの同数値だが、やはりディーゼルの強みで300Nmという最大トルク値は、230Nmのガソリンを大きく凌ぐ。一方で、1380㎏の車両重量はやや重いという関係だが、それでもピュアEV仕様に比べると250㎏も軽い。

早速スタートをしようとドライバーズシートに乗り込むと、まずそこで感じるのは思いのほかのアイポイントの高さ。実際、その全高は1530㎜とやや高めで、最低地上高も170㎜と大き目。特に謳われてはいないがそのスタイリングも含めて、実はなかなかSUV風味が強いことも新しいC4の見どころでありそうだ。

期待通りにディーゼルらしく力強い加速感と共に、走りのテイストで特徴的と言えるのがフラット感に富んだ乗り味。実はこのモデルのサスペンションには、「伝説の”ハイドロニューマチック”の現代的解釈」というフレーズと共に、ストロークが進むとダンパー内のセカンダリーシリンダーにセカンダリーピストンが入り込んでバンプストッパーとして作用する特殊な構造のダンパーが採用され、それが威力を発揮すると同時に、凝った構造のシートを採用することも、独特の優しい乗り味に貢献をしてくれていそう。

伝説の”ハイドロニューマチック”の現代的解釈ともいえる特殊な構造を持つダンパーを採用

 

独特のやさしい乗り味はシトロエンならでは

”大き過ぎないサイズ”や”高過ぎない価格”と共に、個性豊かな輸入車に触れてみたいのならば好適な1台と言えそうだ。

(河村 康彦)

(車両本体価格:345万円)

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