【第41回JAIA試乗会レポート③】メルセデス・ベンツ新型Sクラス試乗! 豪華すぎる内外装と走りも濃厚。気になる点は…

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JAIA(日本自動車輸入組合)主催の試乗会が開催され、その中で新型Sクラス「S400d 4MATIC」に乗る機会がありましたのでレポートします。本国仕様とは異なる部分もあるものの、メルセデスらしい先進装備が満載のクルマとなっていました。(ドラヨス)

S400d 4MATIC

エクステリアは威風堂々

今回試乗させていただいたS400dは、2021年1月にデビューした新型Sクラスのラインナップの中では最廉価グレードとなります。といっても車両本体価格だけでも1,338万円、試乗車にはオプションや保証も付いて、乗り出し価格で1,612万円となっていました。一番お求めやすいSクラスとは言え、さすがはメルセデスフラッグシップ、見た目の美しさや迫力は他のメーカーのフラッグシップモデルとも一線を画する、色気のある曲面で表現されたデザインが魅力的な印象でした。

新型Cクラスがデビューして、ミニSクラスと呼ばれたりしていますが、実際にSクラスとCクラスを試乗してみるとボディサイズによる迫力は想像以上。Cクラスがコンパクトカーに見えるほどです。

試乗車にはAMGラインが1,032,000円で装備されていたので、20インチのAMGマルチスポークアルミホイールやAMGスタイリングパッケージなど、スポーティなエクステリアになっていました。

さすがにSクラスになると、他の車種ではおなじみのAMG5ツインスポークアルミホイールのデザインとは異なるホイールが装着されるのは嬉しいポイント。

AMGラインを装備しても、フロントグリルはメッシュタイプにはならずクラシカルなデザインのままとなるのもSクラスらしさと言えそうです。他のグレードでは時代の流れとともに省略化されたボンネット先端のスリーポインテッドスターのエンブレムも標準装備。Cクラスと並べた時に感じた風格として、こうしたわかりやすいアイコンの存在感もフラッグシップモデルには大切なのだなと改めて感じた次第です。

メルセデスと言えば、ヘッドライトにも最新の技術が使われており、この新型Sクラスでも片側130万画素という高精細なデジタルライトを採用。従来の片側84クラスタの配光でもライバルに対しても優れていましたが、それが150万画素になったことで、自転車の部分だけを切り抜いて遮光するなどさらに細かな配光が可能となっています。

本来なら、路面にレーンチェンジの情報や、その先の工事状況を知らせるプロジェクション機能があるはずですが、日本では国交省の認可が降りず、その機能は封印されています。お役所もそのあたりはもっと柔軟に対応して欲しいところです。

内装はフラッグシップにふさわしい質感だが…

続いてはS400 4MATICの内装を見ていきますが、こちらもさすがフラッグシップにふさわしい質感を備えています。ブラックの内装カラーに組み合わされているブラウンウォールナットウッドの杢目パネルも美しく、試乗車にはレザーエクスクルーシブパッケージ(332,000円)が装備されていたので、ナッパレザーシートやブルメスター3Dサラウンドサウンドシステムなど見た目の質感も向上しています。

Sクラスらしい上質なインテリア
座り心地も快適なナッパレザーシート

今回のフルモデルチェンジで、12.8インチの大型ディスプレイをセンターコンソールに配置したことで、上質ながらシンプルなデザインとなりました。エアコンの操作などが液晶画面の中に格納されたことで物理スイッチが無くなり、デザイン的にはスッキリしたものの、実際の操作となると液晶の中のスイッチは物理スイッチより押しやすかった試しがないのが気になるところ。しかしメルセデスの場合は、人工知能MBUXに発話すれば大体の車両の操作はやってくれるので、そうするのが一番スマートなのかもしれません。

一方で後席を見てみると、一番廉価グレードのS400dでも前席同様の質感が確保されています。ただ、ショーファードリブンのクルマとしては、後席オットマンやシートベンチレーション、後席用タブレットなどは装備不可となっており、それらを望むのならばロングホイールベースモデルや上位グレードを購入する必要があります。

ディーゼルを全く感じさせない上質な走り

走りにおいてもS400dはSクラスの名にふさわしい上質さを持っていました。組み合わされるパワートレインは直6のディーゼルターボエンジンで、昨今では当たり前になりつつあるISGなどのマイルドハイブリッドは搭載されていません。それでもWLTCモード燃費は12.4km/Lと、このクラスとしてはトップレベルに優秀な燃費性能となっています。

搭載される直6ディーゼルエンジン

最高出力は330PS、最大トルクの700Nmをわずか1200rpmで発生させる走りは、2トン以上あるボディを悠然と加速させます。トランスミッションにが9速ATが採用され、0-100km/h加速は5.4秒という快足。アクセルをグイと踏み込めば「クゥォォォン」というディーゼルらしからぬ心地よいサウンドで猛然と加速していきます。

今回の日本導入モデルの新型Sクラスにはエアサスが標準装備となり、乗り心地はとてもフラットで快適。ドライバーズカーとして乗るのであれば、このS400dで良いかもと思わせる良さがあります。

今回の試乗時間内では、話題のARヘッドアップディスプレイは試せませんでしたが、液晶メーターを左右の目の位置を計算して3D的に表示させる「3Dコックピットディスプレイ」には驚かされました。本当にメーターに奥行きがあるように見え、タコメーターやスピードメーターは部分は手前に、中央の地図部分は奥に見え、情報が整理されて目に入ってきます(もちろん機能をOFFにすることも可能)。

こうしたハイテクなデバイスなどがメルセデスの魅力の一つでもあるので、レクサスLSやBMW7シリーズとはまた違った価値で所有欲がくすぐられますね。

 

 

[ドラヨス]
月間100万PVのブログ「ワンダー速報」と、登録者数21.5万人のYouTubeチャンネル「ワンソクtube」の管理人。
クルマ買うチューバーを自称し、2か月に1台のペースでクルマを購入してレビューするスタイルが好評。

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