【遠藤徹の業界ココに注目】決算セールで中古車販売も強化

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この決算セールで販売店各社は、中古車販売にも力を入れている。本来であれば新車のセールが主役なのだが、コロナ禍による新車販売の納期遅れで、収益が落ち気味になっており、すぐに売り上げに結び付く中古車販売で少しでもカバーしたい狙いがある。

これまで販売店は、新車と中古車の販売を明確に分けて行って来た。ところが最近はコロナ禍の影響による、納期遅れでナンバーがつけるのが先送りになり、ユーザーからの代金徴収ができにくくなっている。サプライヤーからの半導体を中心とした部品の供給遅れで、ナンバーの取得&納車が従来よりも3カ月以上も遅れているからだ。

これまでだと、3月の決算セールでの買い得企画の対象は、成約し、ナンバーを取得する期間内が通例だった。ナンバー取得と納期が遅れれば対象外になるので、決算セールの意味がなくなってしまう。

これを防ぐため、今回セールの対象はナンバー取得時点ではなく、成約時に繰り上げて実施している販売店が目立っている。中古車販売強化もその一環である。早く愛車に乗りたいと希望するユーザーも多いので、この対応策とすぐ入金が見込めるメリットがあるためだ。

従来だと、新車のショールームと中古車販売の展示場を分けていたのが、新車ショールームと同じ敷地内に中古車展示場を設置し、しかも同じ営業スタッフが新車と中古車を販売するケースが目立つ。

このような販売店に出向くと、出迎える営業スタッフは「購入希望は新車ですか? 中古車ですか?」といった問いかけを来店客に切り出してから商談している。これまで、新中両方の車種を同じ敷地内で販売していたのは、軽自動車中心の系列店が多かったが、最近は登録車メインの系列店にも拡大している。

(遠藤 徹)

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