【エコツアーに行こう!】NPO法人エコシティ志木(埼玉県志木市)

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川の歴史を知り、川の自然と親しむ

現代の物資の流通を担っているのは高速道路だが、半世紀前は鉄道、そしてそれ以前に大きな役割を果たしていたのが水運。人々の生活から切り離されて、せいぜい河川敷がレジャーの場所となっているくらいの首都圏の川も、かつては流通の大動脈だった。

その名残を今もとどめているのが、埼玉県南部に位置する志木市。現在も中心となっている市役所周辺は、川越と江戸を結ぶ新河岸川の水運の中間地点であり、奥州街道との交点として栄えた引又河岸があった場所だ。水運自体は大正時代の鉄道の開通とともにその役割を終えたが、周辺には当時を伝える古い建造物や史跡が残っている。

早春の河川敷で生きもの調査。草丈が低く歩きやすいこの時期はさまざまな植物のロゼットが観察できる

NPO法人エコシティ志木は、川と向き合って来た志木市の文化的景観を地域遺産として未来へ引き継ぐエコミュージアム、「志木まるごと博物館 河童のつづら」を運営している団体だ。歴史だけでなく、川が育んできた貴重な自然を守り、再生しながら楽しむ活動も行っている。一時は生活排水によって汚濁した新河岸川の支流、柳瀬川も、下水処理施設の設置に加えたボランティアの地道な清掃活動によって再生し、水鳥の集まる場所となっている。都市河川の多くが、治水優先で三面護岸の排水路と化してしまっていることにくらべると、ここには緑に囲まれた自然の川が蘇っているのだ。

冬はカモを始めとする渡り鳥が観察できる

川沿いのぶらり散歩、野鳥を中心とした自然観察や生きもの調査、里山の手入れと観察など、春にかけて予定されているイベントは多彩。近場だから雪や渋滞の心配もない。冬の日だまりの中で、忘れていた自然とのふれあいや発見を楽しみ、人々と川とのつきあいを振り返ってみよう。

【問い合わせ】エコシティ志木(連絡先はイベントによって異なる)
【アクセス】首都高速埼玉大宮線・浦和南IC、または東京外環道和光北ICより約15分
【HPアドレス】http://kappa-no.net/eco-shiki/

(上田 泰久)

3月までのイベント予定

※今後のコロナウイルス感染状況により、緊急事態宣言発出やまん延防止措置が適用された場合、イベントは中止します。

■志木の自然観察(冬)~柳瀬川の野鳥~
2月6日(日)9時30分~11時30分(雨天中止)

志木中学校駐車場入口集合、いろは親水公園解散。双眼鏡、防寒対策、あれば野鳥図鑑を持参のこと。定員15名、参加費200円(中学生以下無料)、参加申込はメールで氏名と電話番号を eco-shiki@ff.e-mansion.com へ。または☎048-471-1338(天田)まで。
問い合わせ:☎070-6661-9559(青木)

■新河岸川ぶらり散歩(4)~新河岸川上流の赤間川を歩く~
3月20日(日)9時30分~15時30分(雨天中止)

江戸時代、水運のために整備された半人工河川、新河岸川をウォーキング。各所に往時の名残が発見できる

西武新宿線・本川越駅西口集合、電車に乗り隣の南大塚駅で下車してから歩き出し、西武新宿線・新狭山駅解散。弁当、レジャーシート持参。定員15名、参加費300円(中学生以下無料)、参加申込はメールで氏名と電話番号を eco-shiki@ff.e-mansion.com へ。または☎048-471-1338(天田)まで。

■志木の生きもの調査~志木の公園や緑地で生きもの調査を行います~

2月14日(月)いろは親水公園「こもれびのこみち」のあずま屋集合
3月14日(月)秋ヶ瀬スポーツセンター集合

いずれも9時30分~12時(雨天中止)、あれば図鑑・虫めがねなど持参。参加費200円(中学生以下無料)。予約不要だが初めての方は事前に連絡を。
問い合わせ:☎070-6661-9559(青木)

■里山の手入れと観察

開発から逃れた斜面林や雑木林など、里山の整備にも参加してみよう

公園内のゴミ拾い・下草刈り・落ち葉掃き・斜面林の保全など。
1月20日(木)、2月7日(月)・17日(木),3月5日(土)・17日(木)
西原ふれあい第三公園(東上線側入り口の坂を上ったところ)集合

1月30日、2月27日、3月27日(日)
いろは親水公園「こもれびのこみち」のあずま屋集合
いずれも9時30分~11時30分(雨天中止)、作業できる服装(長袖・長ズボン・帽子)で。軍手、飲み物、あれば剪定用ハサミやノコギリを持参。参加無料、予約不要だが初めての方は事前に連絡を。問い合わせ:☎048-471-1338(天田)

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