【遠藤徹の業界ココに注目】新車の支払方法がさらに多極化

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電動車両化、安全対策強化などで新型車の車両価格がさらに上昇する方向にある。国産販売店各社はこれに対応する狙いもあり、新車の支払方法に様々の利便性を盛り込み拡販攻勢の一環としている。

首都圏のディーラーだとトヨタ系列店に「残額据え置き型クレジット」を採用し、成果を上げている例がある。毎月の支払を少なくする残価設定クレジットは、ほとんどのディーラーが設定し、支払の主流になっている。

トヨタの「残額据置き払い」だと新車代金の残価を据え置いた2回払いで、毎月の支払はせず、3年後ないしは5年後に、それぞれ残りの半分を支払うというもの。3年後だけの支払はホンダ、ダイハツも実施しているが、さらに5年後の支払も設定しているのは一部トヨタ系列店だけだ。残価設定クレジットよりも実質年利が安いのも売りのひとつとなっている。本来は、現金購入希望者が利用するケースが多い。

また、ダイハツやスズキの一部ディーラーに見られる例では、定期点検や車検をセットにした10万円相当のサービスパックを残価設定クレジットの利用とセットにして販売しているケースもある。残価設定クレジットを組むとサービスパックを無料で進呈することで、残価設定クレジットの利用率を高める狙いもある。

日産系列店は残価設定クレジットを組むと1年間の金利分約15万円相当をメーカー負担でキャッシュバックするサービスもある。ホンダもメーカー主導でフルモデルチェンジやビッグマイナーチェンジした新型車を対象に、発売後3カ月間程度、通常実質金利3.5%を1.9%の超低金利クレジットの設定で対応し、いずれも成果を上げている

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