「オデッセイ」「レジェンド」「クラリティ」が年内で生産終了

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2020年はグレイス、ジェイド、シビックセダンを終了、21年もこれまでアクティトラック、S660の販売を終了したホンダだが、さらに「レジェンド」、「クラリティ」、「オデッセイ」も21年内で終了することとなった。

その理由は、生産する狭山工場の閉鎖だ。レジェンド、クラリティ、オデッセイは現在狭山工場で製造されているが、狭山工場は21年年内で閉鎖の予定。今後、埼玉の完成車工場は寄居に集約されるが、これに伴い3車種を終了するとしている。

つまり生産工場の閉鎖が直接の理由だが、3車種とも国内販売は長期的に低迷しており、これを機に車種整理するということだろう。ちなみにステップワゴンも狭山工場で生産されていたが、こちらは寄居に移管して生産が続行される。

急速に進むホンダの車種整理は、今後の新ラインアップ拡充の布石?

今回の発表で驚いたのは、終了となる3車種とも販売台数こそ少ないが、ホンダの技術的なイメージリーダーとしては重要な意味のあるモデルであり、しかもレジェンドとオデッセイは直近で新装備を追加したばかりの車種ということだ。

まずレジェンドは、姉妹車である北米「アキュラRLX」が20年で販売終了したという事情はあるが、国内では今年3月に自動運転レベル3に対応した「Honda SENSING Elite」を発売したばかり。100台限定・リース販売のみという条件付きだが、レベル3は市販車として世界初。今後の進展が注目されていたところだが、「Honda SENSING Elite」はレジェンド以外の車種に搭載されて発展・進化していくのだろうか。

ホンダ・レジェンド
世界初の自動運転レベル3搭載から、まだ3ヵ月しか経っていないのだが…

オデッセイは、昨年11月にビッグマイナーチェンジを行ったばかり。フロントマスクの一新に加え、国内初採用の「ジェスチャーコントロール」など新装備を満載しての登場だったのだが、それからわずか半年足らずでの終了宣言は早い。結果的に後期モデルはわずか1年ちょっとの生産ということになる。ならばそれなりに投資も必要な大規模マイナーチェンジする必要はあったのか?いささか疑問の残るところだ。

昨年11月に大規模MCしたばかりのオデッセイだが、もうすぐ終了

クラリティは、燃料電池車(FCV)、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド(PHEV)を同一プラットフォームで実現するという将来的な電動車の在り方を提案したモデルだ。EV仕様は国内では未発売だったが、2040年に新車販売はすべてEVとFCVにするというホンダの将来像を具現化したようなモデルといえるだろう。それだけに現時点では販売台数が限られる、つまり儲からない車種であるのは仕方のないところではあるが、ホンダの先進性を象徴するモデルだっただけに残念である。

クラリティの終了で、ホンダラインアップからFCVとPHEVが消滅?

これにより、ホンダの国内販売は急速に車種整理が進むことになった。今後は2040年の全車EV、FCV化に向けて新たなラインアップの構築が期待されるところだが、それまでしばらくは、少ない車種で幅広いユーザニーズをカバーしていく形になりそうだ。(編集部)

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