【輸入車販売台数ランキングTOP10】2020年度に売れた輸入車は?

コラム・特集

2020年度(20年4月~21年3月)の輸入車の新車販売台数は25万5518台で、前年度に比べ12.5%の減少。これは、いうまでもなく新型コロナウイルスの影響が大。販売が不調だったということよりも、生産が一時的に停止されたことで輸入も一時的に遅れたことが大きな要因といえるだろう。

そのような中で、20年度はどんなモデルが売れたのか、販売台数ベスト10を見てみよう。定番のゴルフ、Cクラスが世代交代期ということもあり、19年度までとは少し順位に変化が生じてきている。(編集部)

トップ3はコンパクトモデルが独占!

1位:MINI(2万837台)

堂々トップはMINI。年度別のランキングでは2016年度に1位となって以来、これで5年連続でのトップだ。

台数はハッチバックやクラブマン、クロスオーバー、カブリオレなど各タイプの合計になるので他の車に比べて有利なことは確かだが、それでもこの台数は立派。以前よりもボディサイズが大きくなったとはいえ輸入車の中では手頃なサイズ、そして独自の個性あるスタイルはファンも多く、今後も高い人気を続けそうだ。

 

2位:メルセデスベンツ Aクラス(8723台)

前年度4位から2位に躍進。現行Aクラスの日本での発売は18年からだが、19年にはクリーンディーゼルやセダンも追加、AMGモデルも揃って幅広いラインナップを誇っている。

スタイルも日本人好みで、若者層にも人気。メルセデスの中ではエントリークラスになるモデルだが、話しかけるだけで起動する「MBUX」をはじめ、先進装備が充実しており、快適性・安心感は高い。メルセデスのユーザーは固定化しつつあったが、その幅を大きく広げる原動力ともなっている。

 

3位:フォルクスワーゲン T-Cross(8641台)

これまでフォルクスワーゲンで最も販売台数が多いのは「ゴルフ」だったが、20年度はT-クロスがゴルフを抜いて、VWの中では最多となった。もちろんゴルフがモデル末期であることもあるが、コンパクトSUV人気の高さの証明でもあるだろう。

「ポロ」ベースということで、サイズ感も日本市場にマッチ。200万円台からと手頃な価格も大きな魅力となっている。

 

4位以下は定番モデルがランキング

4位:BMW 3シリーズ(8194台)

現行モデルは7代目。言わずと知れたBMWの主力モデルだ。発売はセダンが先行したが、19年秋にはツーリング(ステーションワゴン)も加わり、ラインナップを充実。パワートレーンも直4ディーゼル、直4、直6ガソリンターボを揃えるなど、選択肢が多いのも魅力だ。

 

5位:ボルボ 60シリーズ(7376台)

ボルボの中核となるモデルで、前年度8位から5位にランクアップ。セダンのS60、ステーションワゴンのV60、クロスオーバーのV60クロスカントリー、SUVのXC60と各タイプが揃っている。ちなみに現在のところ、国内ボルボの中でセダンがラインアップされているのは、この60シリーズのみだ。

日本市場からの要望に応えて全幅を先代より狭めるなど、日本での販売を強く意識したモデルだけに、期待通りの活躍といえるだろう。

 

6位:フォルクスワーゲン ゴルフ(6984台)

前年度2位から大きくダウン。といっても本国では既に新型に切り替わっており、現在日本で販売されているゴルフはモデル最末期ということを考えれば、この順位も納得できる。新型の正式発売が待たれるところだ。

 

7位:フォルクスワーゲン ポロ(6970台)

現行ポロは6代目で、日本では18年の発売。先代に比べてボディは一回り拡大されて3ナンバーサイズとなったが、それでも取り回し性は損なわず、根強い人気を誇っている。ホットハッチのGTIも設定されており、選択肢が多いのも人気の要因といえるだろう。

 

8位:ボルボ 40シリーズ(6424台)

統計上は「40シリーズ」となっているが、かつての主力だった「V40」は19年で終了しており、現在は事実上コンパクトSUVの「XC40」のみ。XC40はパーソナルユースに最適な都市型クロスオーバーとして仕上られており、発売と同時に大ヒットとなったことも記憶に新しい。やや大柄なボルボのSUVラインナップの中で、XC40はサイズ的にも日本の環境にマッチしており、高い人気を続けている。

 

9位:ジープ ラングラー(6221台)

20年度は新型コロナウイルスの影響で前年度より販売台数が減少したブランドが多かったが、その中で「ジープ」は前年度比100.5%と微増ながらプラスとなった。

その原動力となったのが、タフで武骨なスタイルが大人気の本格オフローダーである「ラングラー」だ。4代目となる現行モデルは18年秋の発売だが、19年には2Lの「アンリミテッド サハラ」や特別仕様車も追加され、バリエーションが拡大。その結果、20年度は前年度12位からランクアップを果たしている。

 

10位:メルセデスベンツ Cクラス(6170台)

Cクラスはベンツを代表するミドルサイズセダン。年度別ランキングでは、ここ数年間MINI、ゴルフに続く3番手に付けていたが、20年度は大幅ダウン。その要因はモデル最末期となったことだけに仕方のないところだろう。

5代目となる新型Cクラスは21年後半に登場を予定しているから、22年度には上位に復帰する可能性が高い。輸入車市場を牽引する存在だけに大いに期待されるところだ。

 

11位以降はSUVが続々

ベスト10を紹介したが、11位から20位は以下の通り。

11位:BMW 1シリーズ(5724台)
12位:メルセデスベンツ CLA(5309台)
13位:メルセデスベンツ GLB(5197台)
14位:メルセデスベンツ Eクラス(5028台)
15位:BMW 2シリーズ(4840台)
16位:VW T-Roc(4819台)
17位:メルセデスベンツ Gクラス(4559台)
18位:メルセデスベンツ GLC(4250台)
19位:メルセデスベンツ GLA(4129台)
20位:ジープ レネゲード(4029台)

TOP10に入ったメルセデスベンツは2モデルだったが、ベスト20まで見ると圧倒的に多い。20モデル中8モデルを占めており、ブランド別では他を圧倒している。コンパクトからラージモデルまで、豊富なラインアップを持っているのが大きな強みだ。

その他のブランドではVWのT-Roc、ジープのレネゲードと、やはりコンパクトSUVが強みを発揮。国産車同様、輸入車でもSUV人気はまだまだ続きそうである。

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