【21年5月】あのクルマは何台売れた?国産乗用車ブランド別全車種販売台数

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21年5月の新車販売台数(軽自動車、輸入車を除く)は19万3750台で前年同月比30.9%増。うち乗用車は16万5932台で34.1%増となった。前年5月はコロナウイルスの影響で新車販売が最も落ち込んでいた時期のため、それとの対比だからプラスに転じるのも当然とはいえるものの、少しずつ回復基調にあるといえるだろう。

そのような中、国産車各ブランドの中で、各モデルがどれだけ売れているか、見てみよう。(編集部)

トヨタ:大半のモデルが総合トップ50以内

トップのヤリスを筆頭に圧倒的な販売台数を誇るトヨタ。全ブランド総合での車名別新車販売台数トップ50で、21年5月の50位は「レクサスES300h」の441台だが、トヨタの乗用車ラインアップの中でそれ以下の台数となるのは数えるほど。「MIRAI」や「センチュリー」といった特殊なモデルや、モデル最末期の「86」、既に販売終了となっている「プレミオ」「アリオン」などだけだ。トヨタは、今年5月で全車種併売化からちょうど1年が経過したが、これも満遍なく売れている理由の一つといえるだろう。

<5月の販売台数>

ヤリス:1万6660台
ルーミー:1万1597台
カローラ:7493台
ハリアー:6313台
ライズ:6268台
アルファード:5947台
ヴォクシー:5066台
RAV4:4784台
シエンタ:3908台
プリウス:3194台
ノア:3134台
アクア:2968台
パッソ:2698台
ランドクルーザーW:2447台
クラウン:1460台
C-HR:1320台
エスクァイア:863台
ハイエースワゴン:705台
カムリ:646台
ヴェルファイア:487台
MIRAI:298台
JPNタクシー:185台
プレミオ:100台
86:48台
グランエース:28台
アリオン:10台
センチュリー:1台

1位のヤリスは、ハッチバックの「ヤリス」が7293台、SUVの「ヤリスクロス」が8844台、スポーツの「GRヤリス」が523台の合計。これを別車種に分けると「ルーミー」が1位で、2位「ヤリスクロス」の順になる。コンパクトハイトワゴン、コンパクトSUVの人気ぶりがわかる結果だ。

アルファードはややペースを落としたものの、未だ高水準をキープ。最上級ミニバンがこれだけ売れ続けるのは驚異的だが、1グレードに集約されたヴェルファイアはますます台数を減らしており、明暗を分けている。

発売以来好調な販売が続くルーミー。兄弟車タンクはなくなったが、その分もプラスされてますます人気を高めている

レクサス:RXの人気高し。ISも健闘

自販連発表の通称名別順位だと、レクサスはグレードごとに別車種扱いとなっているのでちょっとわかりにくいのだが、モデル別にしてみると以下の通り。

<5月の販売台数>

RX:1029台
UX:944台
IS:917台
NX:516台
ES:441台
LS:287台
CT:131台
LC:104台
RC:76台

レクサスもやはりSUVが強いが、昨年11月にビッグマイナーを行った「IS」も健闘。セダン不人気の中で立派な数字だ。ちなみにISの内訳は2Lターボの「IS300」が418台、2.5Lハイブリッドの「IS300h」が415台で拮抗。V6・3.5Lの「IS350」は84台とやや少ない。

「UX」はハイブリッドの「UX250h」が768台で圧倒的に多いが、EVの「UX300e」も103台で好調。ガソリンの「UX200」が73台なので、これを上回る結果となっている。

「NX」はモデルチェンジ待ち。6月から新型の予約はスタートしているが、発売は秋なので販売台数はそこから大きく増加しそうだ。

ビッグマイナーが功を奏したIS。セダン不振の中で、気を吐く存在だ

ホンダ:安定人気のフリードがトップ

5月は国産各ブランドとも前年対比増となる中で、台数を落としたのがホンダだ。新型ヴェゼルでプラスになった以上に、主力フィットの台数の落ち込みが大きく、トータルでもマイナスとなってしまった。さらに閉鎖する狭山工場から生産ラインを寄居工場に移しているところに半導体不足も重なり、生産・配車が思うように進捗していないことも台数減の理由の一つとなっている。

<5月の販売台数>

フリード:4409台
ヴェゼル:4060台
ステップワゴン:2118台
フィット:2032台
オデッセイ:1504台
シャトル:912台
CR-V:235台
インサイト:207台
Honda e:74台
グレイス:28台
レジェンド:23台
シビックセダン:2台
クラリティ:1台

5月のフィットは大苦戦。一部改良前というタイミングや半導体不足での生産遅延ということもあるが、それを加味してもステップワゴン以下というのは厳しいところ。コンパクトかつ広い室内空間というのがフィットの売りだが、そうなると共通する特徴を持つフリードやヴェゼル、N-BOXに移行する人も多そうだ。

車種別トップはフリードで根強い人気。他社でもシエンタ、ルーミー、ソリオなど、コンパクトなミニバン/ハイトワゴンは売れ筋上位となっており、かつ安定した推移を見せている。

グレイスは20年7月に販売を終了したモデルだが、28台も計上。よほど在庫が多かったようである。

実用性に優れたフリード。ファミリー層を中心に高い人気を集めている
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