【遠藤徹の業界ココに注目】電動車両の主役はまだまだハイブリッド車

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ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)などの新型車が相次いで登場し、賑わいを見せている感が強いが、当面の主役はHVが務めそうな様相となっている。

EV、PHVの新顔は最近になって多数に上っているが、これまでの受注や登録の実績ではほとんどが苦戦を強いられている状況にある。国や地方自治体からの補助金の増額や、充電インフラは次第に整備され普及環境は充実しつつあるのだが、売れ行きは伸び悩んでいるのである。

理由は充電の面倒さや航続距離に対する不安である。絶対的に車両価格が高いので、ユーザーがメインに使うファーストカーになれないのがネックになっている。代替する際の下取り額はリセールに期待が持てず大幅に下落しているのが現状である。普及を加速させるには、その利便性に対する理解を得る努力が必要である。災害時に電源として使える良さもあるが、日常ではほとんど使われていないので、こちらのメリットも伝えられていないのが現状である。

HVの強みは100%内燃機関車と同様に燃料を供給していれば、手軽に愛用できることである。小型車クラスでガソリンNA車に比べると約50万円のアップで、モーターアシスト方式のマイルドHVであれば、その半分のアップで済む。2030年までに100%ガソリン車を廃止するといった、政府の方針が明らかにされたのも追い風になっている。

ひとつの車種でHVと100%ガソリン車の併売としているモデルでは、従来HVの販売構成比が50%程度だったのが、最近は80~90%に跳ね上がっているモデルも増えている。

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