海外でも評価が高い日本車 主要カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたモデルは?

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1980年代頃から“壊れにくい”という評判が伝わり、高い信頼性と実用性から多くのユーザーを獲得してきた日本車。今や世界各国で販売され、中にはベストセラーになっているモデルもあり、海外でも高い評価を受けている事がわかる。今回は、評価指標の一つであるカー・オブ・ザ・イヤーに焦点をあてて、日本車がどのような評価を受けてきたのか振り返かえってみよう。(編集部)

 

世界カー・オブ・ザ・イヤー:LS、デミオ、リーフ、ロードスター

世界カー・オブ・ザ・イヤーは2004年に創設され、23カ国・82人の国際的自動車ジャーナリストにより選考される自動車賞。該当年の1月1日の時点で2つ以上の大陸にまたがる5カ国以上で販売されていることが条件で、その年に、世界各地域・各国で発売される新車を平等に評価・投票するというものだ。

これまで日本車では、レクサス・4代目LS(2007年)、マツダ・3代目デミオ(2008年)、日産・初代リーフ(2011年)、マツダ・4代目ロードスター(2016年)が大賞に当たる「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞している。

このほか、走行性能が高いモデルを表彰する「ワールド・パフォーマンス・カー」は日産・GT-R(2009年)が受賞。

環境性能を評価する「ワールド・クリーン・カー」は、ホンダ・2代目シビックハイブリッド(2006年)、ホンダ・FCXクラリティ(2009年)、トヨタ・初代MIRAI(2016年)、トヨタ・初代プリウスPHV(2017年)、日産・2代目リーフ(2018年)が受賞し、日本勢の強さが目立つ分野である。

また、内外装のデザインを評価する「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」は、マツダ・4代目ロードスター(2016年)、マツダ・MAZDA3(2020年)が受賞。マツダの魂動デザインは世界的に評価が高い。

一方で、優雅さ艶やかさを評価する「ワールド・ラグジュアリー・カー」は、2014年の創設以降すべてドイツ勢が受賞しており、今後日本メーカーを含めた他国ブランドの奮起に期待したいところだ。

 

■欧州カー・オブ・ザ・イヤー:ヤリス、リーフ、プリウス、マーチ(マイクラ)

「欧州カー・オブ・ザ・イヤー」は、1964年に欧州7カ国(イタリア、イギリス、スペイン、オランダ、フランス、ドイツ、スウェーデン)の自動車雑誌社各1社が主催したものが起源となっている自動車賞。2006年には22カ国からの58人が審査に加わった。

過去12カ月の間に欧州の5カ国以上で発売され、年間5000台以上の販売が見込める自動車が対象。伝統的に小型車の受賞が多く、ブランド別ではフィアットが9回で最多受賞となっているのを見てもわかる通り、大柄なハイパフォーマンスカーではなく、コンパクトかつ使い勝手に優れた実用モデルが高く評価される傾向が強い。となれば日本車の得意分野。これまで日産・2代目マーチ(欧州名マイクラ、1993年)、トヨタ・初代ヴィッツ(2000年)、ヤリス(2021年)、日産・初代リーフ(2011年)と、小型車が受賞している。

■北米カー・オブ・ザ・イヤー:アコード、シビック、プリウス

1994年に創設された「北米カー・オブ・ザ・イヤー」は、北米で市販される乗用車およびトラックの中から年間を通じて最も優秀なものに贈られる自動車賞。48人の自動車ジャーナリストの投票によりファイナル進出の3車種が選定され、北米国際オートショーの開催に併せて受賞車の発表が行われる。2017年からはこれまでの乗用車・トラックに加えSUV部門が新設された。

日本車では、北米専売車の日産・アルティマが2002年に初受賞。その後トヨタ・2代目プリウス(2004年)、ホンダ・シビック(2006年8代目、2016年10代目)、ホンダ・10代目アコード(2018年)が受賞し、トラック部門(2017年までSUVも含む)では日産・エクステラ(2000年)、アキュラ・初代MDX(2001年)、ホンダ・リッジライン(2006年初代、2017年2代目)、マツダ・初代CX-9(2008年)が受賞している。

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