ユニークな日本の三輪乗用車ダイハツ・ビー

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日本自動車業界の会社では、最古の老舗はダイハツ。創業1907年/明治40年という社歴を誇る会社である。創業時の社名「発動機製造」が示すように内燃機関製造販売で、動力用として発電、船舶、鉄道など多方面に納入活躍した。

そしてWWⅡ前の日産自動車誕生の1933年、ダイハツエンジン搭載の三輪貨物自動車ダイハツ號を発売、日本のオート三輪隆盛の先頭を切ったのである。

戦後、オート三輪貨物自動車の黄金期到来でダイハツは活躍、創業40周年を迎えて社名をダイハツ工業に改名、49年大阪証券取引所に上場、翌年ユニークな三輪乗用車ビーの誕生となる。

ダイハツ・ビー/1951年:全長4080×全幅1480×全高1440㎜・WB2400㎜・後輪トレッド1000㎜・車重960kg・最低地上高170㎜

51年に誕生したダイハツBEE=ビーは長年培った3輪車技術のノウハウを生かして作られたが、乗用車らしく前後二列のシートが要求されたので、後部にエンジンを搭載した後輪駆動形式となった。

ビーを経験豊富な3輪車技術と説明したが、実際にはエンジンからシャシーまで専用に開発された。が、当時の状況では大量生産はされず、また市場には受け入れられなかったようで、1年ほどで消えてしまった。

東京でタクシーとして走っていたビーに乗ったことがあるが、4ストロークとはいえ後部からのエンジン騒音がうるさく、乗り心地もイマイチだったことを憶えている。
でも、不細工な日本車が多い中、格好良いなと思った。

車屋四六:1960年頃よりモーターマガジン誌で執筆開始。若年時代は試乗記、近頃は昔の車や飛行機など古道具屋的支離滅裂記事の作者。車、飛行機、その他諸々古い写真と資料多数あり。趣味はゴルフと時計。<資格>元JAFスポーツ資格審査委員・公認審判員計時一級・A級ライセンス・自家用操縦士・小型船舶一級・潜水士等。著書「進駐軍時代と車たち」「懐かしの車アルバム」等々。

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