2021年・もうすぐ販売終了になりそうなクルマ

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「100年に1度の変革期」ともいわれる自動車業界。それを裏付けるように新型車も続々登場していますが、一方で後継を残さず惜しくも終了となる車種も。そこで今回は21年に販売終了が噂されるモデルを紹介。買い替えを考えている人は、早めに注文することをおススメします。(佐々木耕二)

 

【ホンダ オデッセイ】

2021年内で生産終了といわれています。後継モデルの予定は今のところ聞こえてきません。

現行モデルは5代目で、2013年11月の発売。昨年11月には2度目のマイナーチェンジが行われたので、まだまだ継続か、とも思われていたのですが、どうやらフェードアウトのようです。

一時代を築いたモデルだけに消滅は惜しいけれど、現在の販売状況を見ると致し方ない気もします。「低い全高にヒンジドア」というオデッセイならではの個性は、既に現行モデルでは失っていますし。ならばステップワゴンでいいや、という人も多いでしょう。

直接のライバルだったエスティマは既に亡く、上級ミニバンはアルファード1強状態という現在の市場には、もはやオデッセイの居場所はないのかもしれません。

 

【トヨタ エスクァイア】

ノア、ヴォクシーとベースを共用する姉妹車「エスクァイア」も、終了すると言われています。ノアのフルモデルチェンジは22年春頃と予想されていますから、おそらくこれと同時に廃止となる可能性が高いものと思われます。

そもそもエスクァイアは、トヨタの販売チャンネル政策の都合で生まれたクルマです。ノアはカローラ店、ヴォクシーはネッツ店で販売されていましたが、トヨタ店/トヨペット店ではこれに相当するモデルが不在。売れ筋のミドルクラスミニバンがないのは、販売店としては不満です。

そこでトヨタ店/トヨペット店専売車種として2014年に誕生したのがエスクァイアです。トヨタ店/トヨペット店の格に合わせて、ノア/ヴォクシーよりも上質感・高級感を強め、少し贅沢な5ナンバーミニバンという位置付けでした。アルファードを販売していたトヨペット店では、その弟分というイメージです。

80年代、ノア/ヴォクシーの源流にあたるタウンエース/ライトエースに、トヨタ店専売の上級姉妹車として「マスターエース」が追加されましたが、エスクァイアの生い立ちは、これと同じ図式です。歴史は繰り返すということでしょうか。

そんなエスクァイアですが、20年5月にトヨタが全車併売化に踏み切ったことで、トヨタ店/トヨペット店でもノア/ヴォクシークシーを扱うようになり、存在意義が薄まりました。同時に残価型ローンの普及もあり、ちょっと高級な5ナンバーサイズミニバンを購入する位なら、ランクを上げてアルファードを選択する人が増えるのも当然でしょう。月々の支払額はそれほど変わりませんから。そんなわけで退場も致し方なし、といったところです。

 

【日産 シルフィ】

海外市場では新型も投入されますが、国内では終了です。日産の公式サイト上にはまだ残っていますが、生産は昨年9月で既に終わっており、現在は流通在庫のみの販売となっていますので、欲しい人はまさに今が最後のチャンスです。

実用的なミドルクラスセダンでしたが、サイズを問わず「セダン」というだけで売れない今の日本の現状では仕方ないですね。ブルーバードシルフィとして誕生してから3代で終了です。

ちなみにトヨタのプレミオ/アリオンも既に廃盤。ミドルサイズセダンの選択肢は、減少の一途です。

 

【ホンダ S660】

こちらも噂とかではなく、正式に終了を発表済み。22年3月での生産終了となっています。販売についても3月末で特別仕様車、通常モデルともに完売。早めの生産終了アナウンスでしたが、直後に受注が集中、生産できる台数が少ないことであっけない幕切れとなってしまいました。

2シーターの軽オープンということで、もともと販売台数が少ないモデルでしたが、終了の理由は人気が低迷したからというわけではなく、22年から厳しくなる法規制への対応が難しかったため。かといって、新規制に合わせて開発し直すほどの余裕はないということのようです。

というわけで、残る軽オープンはダイハツの「コペン」のみ。こちらは生産終了の予定はないので、これまで以上に注目を集めることになりそうです。

 

【その他のモデル】

正式発表や具体的な話はないものの、いつ廃盤になってもおかしくないモデルは、他にもいくつかあります。

まずダイハツの「ウェイク」。背の高い軽スーパーハイトワゴンは大人気ですが、ここまでのスペースは必要なかったのかもしれません。2014年の発売以来7年を経過しており、販売も不振。このウェイクをベースに後から追加された商用車の「ハイゼットキャディー」は一足早く今年3月に姿を消しています。

ダイハツはもう一つ「キャスト」の行方も微妙です。ハスラーに対抗すべく3つのバリエーションで登場した個性派モデルですが、目玉だったSUV風の「アクティバ」と、スポーツテイストの「スポーツ」は昨年春で終売。現在は「スタイル」のみとなっていますが、売れているとは言い難く、いつ無くなってもおかしくありません。

日産は「フーガ」&「シーマ」も赤信号です。フーガは既に発売から10年以上、シーマも9年が経過していますが、モデルチェンジの噂もなく、そのまま終了する可能性が大でしょう。大型セダンは「クラウン」ですら苦戦する状態ですから、さらに存在感のないフーガ&シーマが生き残るのは難しく、むしろ今まで残っているのが不思議なくらいです。

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