【新型ヴェゼルのタイヤは?】コンパクトSUVの新車装着タイヤ比較

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各社から多くのモデルが登場しているコンパクトSUVだが、燃費優先のモデルから乗り心地重視、走行性重視と、その性格は少しずつ異なっている。したがってその重視するポイントによって、装備も若干の違いがあり、タイヤもその一つ。そこで今回は各モデルが装着する純正タイヤを比べてみよう。(編集部)

 

・ホンダ ヴェゼル

登場したばかりの新型ヴェゼルは、上質さが大きなポイント。静粛性と心地良い走りを高い次元でバランスさせています。

この新型ヴェゼルが装着するタイヤは、ミシュランのプレミアムコンフォートタイヤ「 PRIMACY 4(プライマシー4)」で、サイズは225/50R18。「プライマシー」シリーズは優れた乗り心地と高いグリップを両立するタイヤですが、その最新モデルである「プライマシー4」は、ウェット路面でのグリップ性能を向上させたのが大きな特徴。摩耗してもその高い性能を最後まで維持することをアピールしています。

プレミアムオーディオを採用するなど、1クラス上の快適性や静粛性を実現し、かつSUVならではの走破性の高さも求められる新型ヴェゼルに最適なタイヤといえるでしょう。

 

・トヨタ ヤリスクロス

ヤリスクロスのタイヤサイズはZグレードの18インチ(215/50R18)と、その他グレードの16インチ(205/65R16)がありますが、装着するタイヤはどちらもダンロップの低燃費タイヤ「エナセーブEC300+」です。「ヤリス」にも装着されている乗用車用タイヤですね。

燃費性能と乗り心地を追求したバランス型のスタンダードなタイヤで、日常ユースが主体の都市型SUVとしては不満はないでしょう。低燃費の良さを大きな魅力とするヤリスクロスらしいタイヤです。

 

・日産 キックス

e-POWER専用車として登場したキックスが装着するのはヨコハマ「ブルーアースE70」でサイズは205/55R17。

ブルーアースE70は、新車装着で採用されることの多いタイヤの一つ。燃費性能を重視したバランス型のタイヤです。乗り心地はどちらかといえばカッチリ系で、ちょっと硬めと評される傾向が多いように感じますが、キビキビとした都市型SUVに合った性格のタイヤといえるでしょう。

 

・ダイハツ ロッキー/トヨタ ライズ

ダイハツ「ロッキー」とトヨタ「ライズ」は兄弟車。というわけで装着するタイヤも同じでダンロップ「エナセーブEC300+」です。ヤリスクロスとも同じタイヤですね。スポーツ性を求めるとちょっと物足りないですが、日常ユースが中心のロッキー/ライズには過不足ないタイヤです。

ただし、注意したいのがサイズです。16インチ(195/65R16)と17インチ(195/60R17)の2種類が設定されていますが、どちらもやや特殊なサイズの部類で、特に17インチの純正サイズでスタッドレスを探そうとすると、選択肢が非常に少ないのが現状で、価格もちょっと割高になることが多いです。

 

・スバル XV

カジュアルかつスポーティ。コンパクトSUV市場の中でちょっと個性的なキャラクターを持つのがXVです。

装着するタイヤサイズは2種類。上級のアドバンスと2.0e-Sは18インチ(225/55R18)、その他のグレードは17インチ225/60R17)を装着。タイヤは18インチがブリヂストンの高性能SUVタイヤ「デューラーHPスポーツ」、17インチはスタンダードなヨコハマ「ブルーアースE70」を装着しており、性格の違いが明確です。

このデューラーHPスポーツは高速安定性とドライ・ウェットでのハンドリング性能を重視して開発されたもの。ハイパワーな上級SUV向けに開発されたオンロード用タイヤです。SUV用タイヤとしては高いスポーツ性能を持っており、輸入SUVにも多く装着されています。半面、燃費性能や静粛性はあまり高くありませんが、走りの楽しさを優先するXVの2L車には最適な選択といえるでしょう。ただ、市販モデルの販売はすでに終了しており、後継タイヤは「アレンザ001」になります。

 

・マツダ CX-30

マツダの新世代商品群第2弾として登場したクロスオーバーSUVがCX-30。ガソリン、ディーゼル、スカイアクティブXと多彩なパワートレーンを搭載するが、いずれもマツダらしい走りの楽しさを追求しているのが特徴です。

装着タイヤはトーヨー「プロクセスR56M」またはブリヂストン「TURANZA T005A」でサイズは215/55R18になります。どちらのタイヤもしなやかな乗り心地とともに操縦安定性と高いドライ性能を重視したタイヤで、心地よい走りを重視するCX-30に最適なタイヤといえるでしょう。

 

・スズキ エスクード

群雄割拠のコンパクトSUV市場の中で、ちょっと目立たない存在なのがエスクード。しかし優れた四輪制御システム「ALL GRIP」を搭載するなど、本格的なオフロード走行性能も持つ実力派です。

このエスクードが装着するのは独コンチネンタルの「ContiEcoContact 5 (コンチ・エコ・コンタクト5)」で、サイズは215/55R17。コンチネンタルは欧州車の新車装着は多いのですが、国産車では少ないですね。その中でエスクードはハンガリー製だからということもありますが、国内生産のスイフトスポーツもコンチを新車装着しており、スズキとのつながりは深いようです。

この「エコ・コンタクト5」は、高い走行性能と環境性能を両立したコンフォートエコタイヤ。特にウェット路面でのグリップやブレーキング性能が高められています。もともと欧州自動車メーカーの要求性能を満たすことを前提に開発されたタイヤなので、欧州車での新車装着率が高いのも特徴ですね。現在は後継の「エコ・コンタクト6」も登場していますが、スタンダードとして十分な性能を有しています。

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