【ワンダー速報】BセグコンパクトSUVの真打かも? ルノー新型キャプチャー試乗!

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20212月にフルモデルチェンジしたルノー新型キャプチャーに試乗させてもらいました。プジョーの2008、フォルクスワーゲンのT-CROSS、アウディQ2、トヨタのヤリスクロスなど競合ひしめくBセグメントコンパクトSUVの中にあって、最新モデルとなる新型キャプチャーですが、その商品力と走りは最後発に相応しいものに仕上がっていました。このセグメントはフランス車勢が本当に強いですね。

■キープコンセプトながら質感の高いエクステリア

試乗車として用意していただいたのは新型ルーテシアの上位グレード「INTENSE Tech Pack」、車両本体価格は319万円(税込)と、国産SUVとほとんど変わらない価格となっています。

ベースグレードの「INTENSE」は299万円(税込)と、300万円を切る価格にもかかわらず、上位グレードと同じ18インチタイヤ&ホイールやLEDヘッドライトなど、見た目や装備にも劣る部分は少なく、商品力の高さに驚かされます。

2020年に日本でもデビューした新型ルーテシアにも試乗させてもらいましたが、そのルーテシアのSUV版とも言えるキャプチャーは、ヘッドライトやボディサイドなど共通したデザインも残しつつ、SUVらしい力強さも演出されています。

正常進化ながらルーテシアと同じく下部に切れ込んだヘッドライトが特徴的な新型キャプチャー。

フロントの灯火類はすべてLEDで、対向車や先行車部分だけ遮光するアダプティブハイビームこそ備わらないものの、オートマチックハイビームは完備。

フロントサイドに見えるダクトのような部分も昨今ありがちなダミーではなく、ちゃんとホイールハウスに空気が抜ける機能性を持ったデザインになっているのも好印象でした。

全長4,230mm×全幅1,795mm×全高1,590mmのボディサイズは十分コンパクト。

新型キャプチャーのボディサイズは、全長4,230mm×全幅1,795mm×全高1,590mm。新型ルーテシアカサラ採用されているCMF-Bと呼ばれるプラットフォームを採用し、先代よりも95mm長く、15mm幅広く、5mm高くなっています。

売れているというフォルクスワーゲンのT-CROSSのボディサイズは全長4,115mm×全幅1,760mm×全高1,580mm、ライバルであるプジョー2008は全長4,305mm×全幅1,770mm×全高1,550mmとなっており、新型キャプチャーはT-CROSSよりは大きく、2008よりは小さいというサイズ感になっている。

私も以前乗っていたアウディQ2が全長4,200mm×全幅1,795mm×全高1,500と全高以外はほぼ同じくらいのサイズ感ですが、新型キャプチャーが惜しいのは全高が1,590mmとマンションなどの立体駐車場の中段の高さ制限1,550mmを超えてしまっているので、駐車場事情によっては購入を諦めなければならない家庭もあるかもしれません。その点、プジョー2008とアウディQ2は上手いサイズ感ですね。

リアビューもバランス良くまとまっていてサイズ以上に立派に見えるデザインは秀逸。

リアビューもなかなか秀逸で、腰高感もなくダミーのマフラーなどのデザインもなく好印象。ただ、ウインカーはフロントとは異なり豆球となっています。

■内装の質感も高い!フランス車としては稀なアレも装備!

内装においても新型キャプチャーの商品力の高さが光ります。

新型ルーテシアでも感動しましたが、ドアトリムやダッシュボード、ニーパッドなど、手に触れる部分のほとんどがソフトパッド化され、明らかにT-CROSSQ2、ヤリスクロスの内装の質感は超えています。試乗車のINTENSE Tech Packには本革シートとパワーシート・シートヒーターまで標準装備となっています。

内装はルーテシアに準拠しているがフライングセンターコンソールなどキャプチャー専用の部分もある。

新型キャプチャーは8色から選べるアンビエントライトまで装備され、夜間でも真っ暗じゃないのも良いですね。

フル液晶メーターは地図こそ表示できないものの、見た目はわかりやすく、自車のアイコンは運転支援の状況やブレーキランプ、ウインカー、ドア開閉まで分かるようにアニメーションするのも◎。

そして忘れてはならないのが、新型キャプチャーはフランス車としてはルーテシアに次いで2番目となる、電動パーキングブレーキにブレーキホールドが採用されたクルマになっています。

BセグメントのコンパクトSUVとしては、国産ではヴェゼルやキックス、ヤリスクロスなどにも当たり前に採用されていますが、フランス車としては電動パーキングブレーキが付いていてもブレーキホールドが付いていないのが今までの常だったので、その点でもルノーはプジョー・シトロエンよりも一歩進んだ感はあります。

ちなみにT-CROSSには電動パーキングブレーキは非採用、アウディQ2は電動パーキングブレーキとブレーキホールドも完備しています。

ディスプレイは7インチと小さく、フランス本国にある大型のスクリーンは用意がないのが残念。

■後席やラゲッジもゆとりの空間

新型キャプチャーは先代に比べてホイールベースも35mm延長されている影響で、後席の足元もかなり広いです。しかもこのクラスとしては珍しく後席が160mmもスライドします。

スライドを最後端にして、運転席を身長173cmの私のドライビングポジションに合わせた状態で、後席の膝前にはコブシ2.5個分ものスペースがありました。

BセグメントのコンパクトSUVとしては十分な広さです。

後席足元は十分広く、センターコンソール後端にはエアコン吹出口だけでなくUSBポート2口、アクセサリーソケットも完備。

さらにセンターコンソール後端には、エアコンの吹出口だけでなく、USBポート2口、アクセサリーソケットまで完備されていて、後席での充電環境やエアコン環境も良いです。ただし、後席のアームレストは備わらないのだけが惜しいポイント。

そして新型キャプチャーのラゲッジスペースですが、このクラスとしては異例に広く、後席を使用した状態でも最大536L、後席を倒せば1235Lまで拡大可能。

536Lもの積載量は、クラスが2つ上のハリアーの409Lをも超えています。

内外装は以下の動画でもインプレッションしています!

 

■走りの質感はクラストップレベル!ただし難点も

新型キャプチャーのパワートレインは、ルーテシアと同じ1.3L 4気筒直噴ターボエンジンに、7DCTが組み合わされています。

最高出力113kW154ps/5,500rpm、最大トルク270Nm/1,800rpmという1.3Lとは思えない豊かなトルクを低回転から発生させるので、過不足ないどころか痛快な加速フィールを味わうことができます。

最高出力113kW(154ps)/5,500rpm、最大トルク270Nm/1,800rpmの1.3L 4気筒直噴ターボエンジンに7EDCが組み合わせれる。

ライバルになるプジョー20081.2L 3気筒ターボに8ATで、どちらも甲乙つけがたいドライブフィールですが、ルーテシアを試乗した際に感じていた硬さやザラつきはキャプチャーではうまく抑えられ、乗り味の印象はかなり良かったです。

ステアフィールもクイックで、低回転の豊かなトルクと相まって、街乗りでも楽しいと思えるドライブフィールはまさにフランス車と言ったところ。思わずスピードを出しすぎないように注意しないと、街乗りでもグイグイ走りたくなる衝動に駆られます。

ただし気になる部分もありました。ルーテシアでは違和感が無かったブレーキホールドからの再発進が、新型キャプチャーでは「ギギッ」という音と共に突っかかりを感じる再発進となっています。これは、ルーテシアではリアのブレーキがディスクだったのに対し、新型キャプチャーではリアブレーキがドラム式になっていることが起因しているようでした。

この突っかかりは慣れるまで違和感がありそう。とは言え、ブレーキホールドという便利な機能を封印するには惜しく、ソフトウエアアップデートなどで突っかかりを感じない制御にしてもらいたいところです。

とは言え、全車速追従のアダプティブクルーズコントロール、レーンセンタリング機能、ブラインドスポットモニター、360°カメラ、なども装備され、運転支援や安全装備もドイツ車や国産車にも劣らないどころか、それ以上のものが用意されているのにも驚きました。

BセグメントのコンパクトSUVとしては決定打になるかも?と思えるほどの商品力と走りの良さだったので、このクラスのクルマを検討されている方は、是非試乗と見積もりをして欲しいと思える一台でした。

あとはディーラーがもう少し多いと良いですね。

試乗インプレッションは以下の動画もご覧ください!

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[ドラヨス]
月間100万PVのブログ「ワンダー速報」と、登録者数15万人、月間400万再生以上(2021年3月1日現在)のYouTubeチャンネル「ワンソクtube」の管理人。
クルマ買うチューバーを自称し、2か月に1台のペースでクルマを購入してレビューするスタイルが好評。

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