2020年今年のクルマ、イヤーカー大集合！ -

師走の足音が聞こえ出すと、クルマの世界では各団体からカーオブザイヤーが発表され“今年のクルマ”が決まる（別掲）。今年の受賞車は、コンパクトカーとコンパクトSUV、ステーションワゴン。輸入車では電気自動車を含むモデルが2団体から選出された。

■トヨタ・ヤリス／ヤリス　クロス…既成概念を一変させた走行性能と先進装備

グローバルコンパクトのヤリスはハッチバックだけなく、SUVタイプ“ヤリスクロス”も加わり、ヤリスシリーズが形成された。

プラットフォームからエンジン、ミッション、足回り等、クルマ全体を文字通りゼロから開発したこで、アスリートを連想させる躍動的なスタイリングをはじめ、卓越した走行性能、ハイブリッドの燃費性能と、全方位で性能を向上させた。

“トヨタ初”と謳う先進運転支援装備も、数多くヤリスから採用された。従来は上級モデルに採用され、下に降りてくるのが習わしだった。クルマとしての基本性能の高さだけなく、コンパクトカーの概念を打破したクルマづくりも新鮮だ。

燃料タンクのセンター配置により、独自のパッケージングを確立。このモデルも、広い室内空間と使い勝手の良さを継承し、数値では表せない“感性性能”を追求することで、乗る人に心地よさを提供する。ライフスタイルに応じた５タイプが設定されている。

パワーユニットはガソリン（1.3リッター）とハイブリッド（1.5リッター＋モーター）があり、ハイブリッドシステムは多くの運転シーンをモーターで走行する“ｅ:HEV”がコンパクトモデルで初採用された。

先進の安全運転システム、ホンダセンシングは“進化版”を全車標準装備するとともに、通信により安心かつ快適なカーライフをサポートするホンダコネクトも初搭載された。

日本カーオブザイヤーを戴冠したSUBARU（スバル）・レヴォーグは、国内のフラッグシップモデルとなるステーションワゴン。プラットフォームから刷新され、エンジンは初代の2タイプから新開発の1.8リッターターボに一本化された。

先進安全運転支援システム、アイサイトも進化しステレオカメラを広角化し、機能が向上した新世代アイサイトを搭載。また、3D高精度地図データ等の情報を活用し、さらに緻密な運転支援を可能にした“アイサイトX”も採用された。

もちろん、ステーションワゴンとしての基本性能にも磨きをかけ、快適性や積載性、利便性を向上している。

両モデルは、日産自動車と三菱自動車の合弁会社、NMKVのマネジメントのもと、日産が企画・開発した軽スーパーハイトワゴン。

優れた実用性に加え、両モデルとも質感の高さにこだわった。旧型より延長されたホイールベースにより後席の足元空間広がり、ラゲージスペースも拡大された。後席はロングスライドが可能で、運転席から手の届く距離まで近づける。

また、登録車と同等の性能を持つ先進安全運転支援システムプロパイロット（日産）／マイパイロット（三菱）が採用されことで、高速道路で長距離運転がストレスフリーになり、新たな価値も提供している。

輸入車では、プジョー・208／e-208が日本カーオブザイヤーと、日本自動車殿堂の輸入車部門で選出され“2冠獲得”を達成した。

208はガソリン車（直列3気筒1.2リッターターボ）、e-208は電気自動車（EV）でデザイン、装備、室内空間をガソリン車とほぼ同等に作り上げ、消費者がライフスタイに合わせ、パワーユニットで選べるようにした。

e-208は、1充電の航続距離は340㎞（WLTPモード走行時）を実現。高剛性ボディとしなやかに動くサスペンションにより、クラスを超えた上質な乗り心地と、意のままにライントレースするハンドリングも評価された。

今年の主なカーオブザイヤー（順不同）

〈第30回（202１年次）ＲＪＣカーオブザイヤー〉

国産車：トヨタ・ヤリス／ヤリスクロス

輸入車：BMW・2シリーズ　グランクーペ

テクノロジー：日産・キックス　進化したe-POWER

〈第41回2020-2021 日本カーオブザイヤー〉

カーオブザイヤー：SUBARU・レヴォーグ

インポートカーオブザイヤー：プジョー・208／e-208

デザインカーオブザイヤー：マツダ・MX-30

テクノロジーカーオブザイヤー：アウディ・e-tron Sportback

パフォーマンスカーオブザイヤー：BMW アルピナ・B3

K CARオブザイヤー：日産・ルークス、三菱・eKクロススペース/eKスペース

〈2020～2021 日本自動車殿堂イヤー賞〉

国産乗用車：ホンダ・フィット

輸入乗用車：プジョー・208／e-208

デザイン：マツダ・CX-30

テクノロジー：Honda e　都市型RWD EVシステム

※各賞とも車両の受賞を中心に記載