気持ちの良い走りと低燃費を両立する高実力モデル ホンダ・新型アコード 試乗記

試乗レポート

1976年の誕生以来120を超える国と地域で販売され、累計2000万台以上を生産するホンダ随一のグローバルカーとして歴史を刻んできたアコード。主要市場の北米と中国から遅れること2年、ようやく日本にも今年2月にフルモデルチェンジされた10代目の新型アコードが導入された。

新型アコードはEXの1グレードのみで、ナビをはじめ、本革シート、サンルーフ、ヘッドアップディスプレイ、前後席シートヒーターなどを標準装備。これらの装備は同車格のトヨタ・カムリではオプション扱いになっているものが多く、アコードの465万円という金額は決して割高ではないように思える。

エクステリアは先代までの正統派セダンの佇まいから、ワイド&ローを強調したスポーティな4ドアクーペを思わせるスタイルに一新。ボディサイズは全長4900(先代比-45mm)×全幅1860(先代比+10mm)×全高1450(先代比-15)mmと、全幅以外は縮小されているが、ホイールベース2830(先代比+55mm)としたことで、伸びやかなプロポーションを手に入れた。

インテリアは過度な加飾がなく、落ち着いた雰囲気で質感も高い。先進感のあるボタン式のシフトセレクターは、慣れればブラインドタッチでの操作も容易になりそうだ。ただ、競合車は10インチ越えも当たり前になるなか、センタークラスター上部に設けられたナビは8インチと小ぶりで、画面の描画なども古さが感じられた。若返りに成功したエクステリアのような、イメージの一新がインテリアにも欲しい。

後端にかけてなだらかに下るルーフラインを見ると狭そうに見える後席の頭上だが、身長177cmの筆者が座ってもこぶし一つ分のスペースがあり、圧迫感も無く、思いのほか解放感があったのが印象的。ホイールベースを延長したことで、後席の足元空間も広々としており、居住性も高いレベルにある。

■スポーティな走りと高い静粛性

パワートレーンは、直列4気筒2.0Lアトキンソンサイクルエンジン+2モーターというパッケージは不変ながら、呼称がハイブリッドからe:HEV(イーエイチイーブイ)となった。低中速域ではEV(電気自動車)と同様にバッテリーに電力があればモーターのみのEV走行をし、パワーが必要になったり充電量が少なかったりする時にはエンジンが発電をする。高速域ではクラッチがつながり、エンジンが直接駆動するというのがこのシステムの特徴となっている。

運転席に座ってみると驚くのは、着座位置の低さ。モーター走行による力強いトルクや瞬発力と相まって、大型セダンのイメージとは異なるスポーティな運転感覚を味わえる。走り出しからの加速は極めてスムーズで、ある程度スピードに乗ると一般道の速度域ではほとんどモーターのみで走るので、走行フィールはほぼEVの感覚だ。スポーツモードを選択すると強力な加速を得られるが、ノーマルで状態でもアクセルの反応が俊敏で、必要十分な加速性能を持っている。

また、ブレーキのフィーリングは、回生ブレーキによる充電の様子を感じられたが、違和感はなく滑らかな感触。軽くて抜けるような感じは無く、ガソリン車と変わらないブレーキフィールであるのも好印象だ。

ステアリングに備えられたパドルシフトは回生ブレーキの強さを4段階から選べ、視線を変えることなく操作ができるのでワインディングや下り坂での走行シーンでは重宝した。

加えて、モーター走行からエンジン走行の切り替わりもシームレスで、乗っている人はエンジンが動いていると判らないのでは?と思うほどの静粛性の高さは特筆すべきポイント。乗り心地は先代のコンフォートな印象からスポーティなものになっており、基本的にフラットライドであるが、荒れた路面では若干キャビンが揺すられロードノイズが気になった。

カタログ燃費は22.8km/L(WLTCモード)で、今回の試乗はおよそ820kmを走行しメーターの燃費では20.3km/L、満タン給油で5450円(リッター125円)となり、大型セダンとしてはかなり優秀であると言える。低燃費ながら、スポーティな走りと高い静粛性を備えた、完成度の高い1台となっていた。

 

 

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