2019年度(19年4月~20年3月)の新車市場はトヨタの「RAV4」や「ライズ」など、一部車種の新型車効果はあったものの、消費税率引き上げ後の反動が大きく、登録車は4.6%減の318万2760台となった。
その中で、もっとも売れた登録車はトヨタ・カローラだった。2006年度以来の1位獲得となった。
カローラは、一昨年6月に新型のカローラスポーツ(5ドアハッチバック)が先行発売され、昨年9月にセダン(カローラ)とステーションワゴン(カローラツーリング)がフルモデルチェンジし、新型の三つのボディタイプが揃った。
9月以降は、その新車効果をいかんなく発揮し、10月から12月までは単月の販売台数でトップに立った。年度の累計販売台数では、トヨタ・プリウスは前半の好調に支えられ首位を守っていたが、最後の最後でカローラに首位の座を明け渡す格好となった。
現行モデルのカローラ(シリーズ)は、トヨタの新しいクルマ作りTGNA(トヨタ・グローバル・ニュー・アーキテクチャー)がプラットフォームなど随所に取り入れられ、従来から継承されてきた利便性や機能性に加え、クルマの基本性能(走る、止まる、曲がる)のポテンシャルが大きく向上し、既存のイメージを大きく刷新したといえる。
パワーユニットは2種類のガソリンエンジンとハイブリッド(1.8リッター+モーター)を用意。安全装備は最新のトヨタセーフティセンスを標準装備するほか、ディスプレイオーディオも採用し新たな利便性も手に入れた。
登録車市場のベスト10を見ると、上位3位がカローラ、プリウス、シエンタとトヨタ車が占め、その他、ルーミー、アクア、ヴォクシーと6モデルがランクインした。日産はノートとセレナ、ホンダはフリードとフィットがトップ10入り。トップ10の顔ぶれは、コンパクトサイズを中心としたもので、ボディタイプは様々。パワーユニットはほとんどがガソリンエンジンと電動車(ハイブリッド)を設定している車種だが、ルーミーのみが〝ガソリンエンジン〟だけで健闘している。
今年2月に揃ってフルモデルチェンジしたトヨタ・ヤリス(ヴィッツから改称)、ホンダ・フィットはフルに新車効果を発揮していない状態なので、20年暦年または20年度でどこまで数字を伸ばすか注目される。
2019年度モデル名別新車販売台数 (登録車) | |||||
順位 | モデル名 | ブランド名 | 販売台数(台) | 上位との差(台) | 昨年度比 |
1位 | カローラ | トヨタ | 114,358 | ─── | 21.1% |
2位 | プリウス | トヨタ | 113,361 | 997 | -1.5% |
3位 | シエンタ | トヨタ | 108,067 | 5,294 | 12.6% |
4位 | ノート | 日産 | 105,908 | 2,159 | -19.6% |
5位 | ルーミー | トヨタ | 92,890 | 13,018 | 7.2% |
6位 | アクア | トヨタ | 91,322 | 1,568 | -28.6% |
7位 | フリード | ホンダ | 84,407 | 6,915 | 0.9% |
8位 | セレナ | 日産 | 84,051 | 356 | -16.0% |
9位 | ヴォクシー | トヨタ | 81,949 | 2,102 | -8.9% |
10位 | フィット | ホンダ | 76,101 | 2,481 | -11.4% |