ボルボ・V60クロスカントリー試乗

家族で行こう! きままにクルマ旅(2020年3月)
ボルボ V60クロスカントリーで 雪景色を求め、福島・会津地方と裏磐梯へ

レジャー ドライブ

文:吉田直志(automobile columnist) 写真:編集部

紙面版では都心から日帰りで帰って来られるスポットやドライブルートを紹介してきたが、これからもそれを基本としながら、機会があれば日本全国あちこちへと出掛けてみたい。そんな想いもあって、今回は福島県へと泊まりがけドライブへ出掛けることとなった(経費的な面で編集部の了解が取れたこともあって……)。

しかも、ただのドライブではなく、雪景色を眺め、そして、スノードライブを堪能したい、というちょっとひねくれた感覚もあって、福島県の中央部、南会津から裏磐梯まで、ボルボ「V60クロスカントリー」にスタッドレスタイヤを組み合わせて、わざわざ2月に出掛けてきた。

大内宿は東京からは東北道を利用して約3時間かかる。現在のように宿場町としての風情を整え、歴史的遺産として国から認められたのは昭和56年のこと


目次

・ 大内宿 雪景色を求めて
・ 会津若松 市内をゆっくり、のんびり周遊
・ 喜多方〜裏磐梯 V60クロスカントリーで雪上ドライブ
・ ドライブデータ ボルボ・V60クロスカントリー
・ 立ち寄りスポット[マップコード]

 


大内宿
雪景色を求めて

最初に訪れた「大内宿」がある南会津地域は、高速道路からのアクセスがいいとは言えず、さらにこの地域はいわゆる豪雪地帯にあるため、冬シーズンのクルマでのアクセスはかなり時間を要する。雪のないシーズンであれば栃木県の日光や那須高原に立ち寄りながら国道121号線を北上するのだが、今回は、大内宿にもっとも近い東北道を白河ICまで走り、そこから県道、そして国道を継いでいくルートを選んだ。

白河ICを下りてワインディングを走り、標高を上げていくも、路面どころか、周囲にも雪は見当たらない。ご存知のとおり、暖冬の影響だが、とはいえ、ほんとにない……。今回のドライブは、雪を踏みしめることも目的としてたが、今回のドライブは雪を踏むことなく終わるのではないか……、そんなイヤな予感もしていた。

大内宿に到着すると、数日前に降った雪がなんとか残っており、メインストリートのあちこちは凍結しており、また、茅葺き屋根にもギリギリではあるが雪が残っていた。ここはすっかり有名になった観光スポットで、いまさら説明の必要がないかもしれないが、さらっと解説しておこう。

大内宿の風景

メインストリートのあちこちは凍結しており、茅葺き屋根にもギリギリではあるが雪が残っていた

大内宿は、江戸時代、会津と栃木県今市を繋ぐ下野(しもつけ)街道の宿場町として栄えたところで、現在の街並みは古く残っていった家屋などを整え、当時の雰囲気を再現。街ごとタイムスリップしたかのような風景は、国内はもとより、海外からも多くの観光客を呼び寄せているスポットだ。

個人的には、10年以上ぶりに訪れることとなった大内宿は海外からの観光客が少なかったこともあってか、ずいぶんとのんびりとしていた。と同時に、イマドキ風のカフェを見かけ、その変わり往く姿にオドロキを覚えつつ、そこに集う人たちを見ていると、今はこういうのもありなんだよな、と、ひとり感慨深くなったりもした。

 

会津若松
市内をゆっくり、のんびり周遊

鶴ヶ城

会津若松のシンボルである鶴ヶ城

そんな大内宿を後にして次に会津若松へと向かった。

ルートとしてはひたすらに北上、国道121号線から118号線を継いでいく。山深い景色はすぐに市街地へと変わり、やがて右手に、戊辰戦争でなかなか落城しなかった城としても有名な「鶴ヶ城」が見えてくる。会津若松市内にはそのほか、会津松平家のお墓である松平家廟所、手付かずの日本が残る七日町通りなど、ゆっくり、そして、のんびりしたいスポットが数多くある。

元祖輪箱飯(わっぱめし)田季野の内観
田季野の五種輪箱

会津若松市内の「元祖輪箱飯(わっぱめし)田季野」は、築250年の糸沢陣屋を移築復元。趣ある空間で会津の郷土料理を楽しめる。名物の五種輪箱(2000円)

最終目的地である裏磐梯へ向かうには、このまま北上すればいいのだが、せっかくだからと日本で4番目の面積を誇る「猪苗代湖」へと足を運んだ。広大な湖の向こうには、険しい山並みを見ることができ、ここも残念ながら雪はなかったが、夏シーズンとはまた違った良さがあった。

天鏡湖とボルボ・V60クロスカントリー

日本で4番目の面積を誇る猪苗代湖。「天を映す鏡のような湖」の意で「天鏡湖」と呼ばれるほど透明度の高い水質を有し、夏は泳げるほかマリンスポーツも楽しめる

 

喜多方〜裏磐梯
V60クロスカントリーで雪上ドライブ

古き宿場町と広大な自然と、そして立派な城を目にすると、ドライブルートとしてはもはや十二分といった感じだが、せっかくだからと来た道を戻り、喜多方へと向かった。その目的は「道の駅 ふれあいパーク喜多の郷」。ここは、クラッシックカーのツーリングイベントで立ち寄りスポットにもなるところ。食事処では喜多方ラーメンだけではなく、ラーメンバーガーやらーメンチといったオリジナルグルメを食べることができる。

道の駅 ふれあいパーク喜多の郷

道の駅 ふれあいパーク喜多の郷の敷居内には、温泉や郷土資料館もある

ここまでボルボ V60クロスカントリーは、雪を踏みしめていなかった。さすがに裏磐梯まで足を伸ばせば雪はあるだろうと思ったのだが、やはり暖冬の影響は磐梯山の北側にも広がっており、例年、雪が積もっているルートにも雪はなかった。それでも「桧原湖」の周囲を走りに走って、わずかではあったが路面が真っ白といったシーンを見つけることができた。そんなシーンでも、V60クロスカントリーは、ドライと変わらぬ安心感を提供してくれた。

ボルボ・V60クロスカントリーの雪上試乗

わずかであったが雪上ドライブも体験。ドライと変わらぬ安心感を提供してくれた

そもそもドライ路面でも、そのハンドリングの生真面目さと45扁平かつ19インチサイズのタイヤながら、快適性をしっかりと表現できている乗り心地に驚いていたが、その印象は積雪路でも変わることはなかったし、路面状況が細かに変わるシャーベットといったシーンでも変わらず、安心感を与えてくれた。

最新のボルボはやっぱりいいなぁと感じつつ、クロスカントリーに与えられた210mmという最低地上高は、どこでも気軽に行ける、そして、何かを発見できるという、プラスアルファを与えてくれていることに、感心を覚えた。フツーのV60もいいけど、V60クロスカントリーを選ぶと、日々が、そして非日常が広がる、そんな印象を受けた。

ボルボ・V60クロスカントリーのインテリア
ボルボ・V60クロスカントリーのラゲッジスペース

シックで質感の高さが特徴のV60クロスカントリーのインテリア/積載物に応じたシートアレンジも容易

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ドライブデータ

試乗車=ボルボ V60クロスカントリー  T5 AWD PRO
パワーユニット=直列4気筒1968ccガソリンターボ、AWD、8AT
乗車定員=5名
全行程走行距離=約650km

 

立ち寄りスポット[マップコード]

・大内宿[433 583 621*54
・鶴ヶ城[
97 261 149*21
・元祖 輪箱飯 割烹・会津料理 田季野[
97 292 153*51
・猪苗代湖[
413 080 268*42
・道の駅 ふれあいパーク喜多の郷[
413 690 775*27

※「マップコード」および「MAP CODE」は、株式会社デンソーの登録商標です。
※ナビの機種によっては、高分解能マップコードに対応していない場合があります。

 


プロフィール

吉田直志automobile columnist)
四輪駆動車専門誌、デジタルカルチャー誌の編集部を経て、フリーライターに。現在は新型モデルの評価を軸に、自動車雑誌のほか、ファッション誌にも寄稿。

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