グッドイヤー【アイスナビ7試乗】雪上・氷上でハイパフォーマンスを発揮

試乗レポート 自動車関連用品

近年では豪雪地帯のみならず、東京でも短時間のうちに大量に降り積もる“ドカ雪”が珍しくない。このため装着率が上昇しているのがスタッドレスタイヤである。今冬に購入を検討している人も少なくないだろう。が、このスタッドレスタイヤの選択は意外に難しい。各社から多くのモデルが発売されているが、見た目や売価だけではその実力がわからないからだ。これは夏タイヤでも同じ事が言えるが、スタッドレスタイヤの性能差は夏タイヤ以上に開きがあることは、複数のスタッドレスタイヤを履いたことがある人ならわかるはず。

そこで今回は、グッドイヤー「アイスナビ7」の試乗チェック記事をあらためて紹介しよう。試乗したのは昨年(18年)12月で、今からちょうど1年前の記事だが、アイスナビ7は今年も販売中だから、購入検討の参考にして欲しい。

 

・ICE NAVI7で雪道ドライブ

グッドイヤーでは、スタッドレスタイヤ「ICE NAVI(アイスナビ)」シリーズを97年から導入している。それから20年目となる17年に登場したのが、7代目となる「アイスナビ7」だ。このアイスナビ7は、自ら「プレミアムスタッドレス」と謳う自信作。というわけで、今回は日本有数の豪雪地帯である新潟県南魚沼エリアでその実力をチェックしてみた。

装着車はトヨタ・カローラフィールダー。ガソリン1.5Lで、駆動方式は残念ながら4WDではなくFF。そこは一抹の不安を感じながらもいざスタート。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の相模原愛川ICから八王子方面に進み、鶴ヶ島JCTから関越自動車道(関越道)に乗って新潟方面へ向かうというルートである。ちなみに当日は東京付近は晴れ、群馬県北部辺りから雪という天候であった。

ドライの圏央道を走行中にまず気づいたのが車内の静粛性の高さだ。装着車がいつも履いているのは純正装着のブリヂストン・エコピア。それと比べてもアイスナビ7の静粛性はほぼ同レベル。さらに高速域でのレーンチェンジも特にふらつく事もなく、乗り心地という点でも遜色ない。いい意味で“スタッドレスを履いている”感がなく、安心・快適ドライブだ。

関越道の月夜野IC(群馬県みなかみ町)辺りから雪が降り始め、スタッドレスタイヤを試すには嬉しい状況となった。関越トンネルを抜けるとチェーン規制のため土樽PA(新潟県湯沢町)に一旦全車誘導されてタイヤチェックを受けるが、もちろんスタッドレスのため、そのままPAを出るよう誘導される。路面には雪が積もるが、滑ることなく走行には全く不安がない。

塩沢石打ICで高速を降り、市外から山道に入ると状況が厳しくなる。新雪、圧雪、そしてところどころシャーベットやアイスバーンという具合で、路面が刻々と変わっていく。

ここで感じたのが、アイスナビ7のバランスの良さだ。極端な得手不得手がなく、新雪もシャーベットもスムーズな走行だ。坂の途中の信号で一時停止し、再発進するという場面もあったが、それも難なくクリア。縦方向、横方向ともしっかりとグリップし、不安を感じさせない。もちろん限界域に近づくとジワジワとグリップを失うが、ある一点から一気にコントロールを失うというのではなく、もうすぐ限界というのが伝わってくるので安心できる。

途中アイスバーンでは、ステアリングの操作に対して車両のレスポンスがわずかに遅れる場面もあったが、そのままズルズルと滑ることもなく、一瞬でコントロールを回復する。アイスナビ7のコンパウンドは柔軟性が高い極小シリカのゴムを採用。氷上の細かい凹凸に高い密着性を発揮し、先代と比べてブレーキ性能を7%向上しているというが、その実力を体感することが出来た。まさにオールラウンダーのプレミアムスタッドレスである。

十日町まで出て周辺をドライブし、Uターンして帰路につく。今度は下り坂がメインになるが、そこでも安定の走りは変わらない。ブレーキに対する反応も素早く、挙動を乱すことなく山道を抜けその実力に感心。サマータイヤ同等の快適性とスタッドレスとしての高い性能を見事に両立している。豪雪地帯はもちろんのこと、都市部のユーザーにぜひともオススメしたいスタッドレスタイヤだ。

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