【ワンダー速報】“辛口評価”の理由は? 新型アウディA1スポーツバック試乗しました!

試乗レポート

■3ドアが廃止され5ドアのみになり価格は上昇

2019年11月25日にフルモデルチェンジで日本発売されたアウディの新型アウディA1 Sportbackですが、日本に初期導入されるのは、1.5Lモデルの35TFSIのみ。1.0Lの30TFSIは遅れて発売される模様です。

また、先代A1では3ドアモデルが中心でしたが、今回のフルモデルチェンジを機に3ドアは廃止。すべて5ドアとなりました。

それに伴ってか、新型アウディA1の価格も上昇。

1.5Lモデルの35TFSIのベースグレードでも365万円からのラインナップと、先代の1.4Lモデルと比較して30万円の価格上昇となっています。

先代1.0Lモデルは253万円からだったので、100万円以上値上がったようにも見えてしまいます。

 

最近のアウディは、排気量の多い高額グレードを先にデビューさせて、半年1年後などに安価な小排気量やディーゼルモデルを販売するという戦略で販売されていますが、最も注目度の高いデビュー時点で高いモデルしかラインナップされていないと、ユーザーからは「高い」という拒絶反応が出てしまい、それ以降の印象が悪化するデメリットしかない気がしています。

事実、A4デビュー当時でも、旧型オーナーからは「高くて買えない」と不評でした。

今回の新型A1も、365万円からのスタートとなりましたが、ナビ+バーチャルコックピットで31万円、安全装備のアシスタンスパッケージで12万円と、絶対に付けなければならないオプションを含めるとさらに高額になってしまうのが、最近のアウディのネガティブなところです。

試乗車として用意していただいた新型A1 Sportback 35 TFSI S lineは、車両本体価格は391万円ですが、S lineやナビなどのオプションを含めると498万円になっていました。

この価格を見ての試乗となると、辛口にならざるを得ない部分もあるわけです…。

■エクステリアは最新のアウディデザインを凝縮

まずはエクステリアを見てみますが、デザインに関しては概ね高評価です。

ボンネット下の3本のスリット状の空気孔やブリスターフェンダーは、かつての「スポーツクワトロ」をイメージしたものだそう。

先代よりも迫力を増したフロントマスクは、ボンネット下の3本のスリットが特徴的ですが、これはかつての「スポーツクワトロ」へのオマージュなのだそう。しかしこのスリットは空気が抜けるようになっておらず、デザイン上のダミーインテークとなっています。

それ以外にも、フロントバンパーサイドにあるメッシュ部分も全部ダミー。

デザイン上の密度感は上昇し、見た目の迫力も増しますが、機能性のないダミーのデザインは個人的には好きではありません。

この辺も好みはありますが、私は機能性のあるデザインのほうが好きですね…。

ホイールベースは+95mmと大幅に延長され、それは後席の居住性に大きく寄与。

A3かと見まごうほど立派になったA1 Sportbackは全長もついに4m超え。ボディサイズは、全長4,040mm×全幅1,740mm×全高は1,435mm、ホイールベース2,560mmとなっています。

先代に対して全幅は変わらず、全長は+65mm、全高は+10mm、ホイールベースは+95mmと大幅に延長され、それは後席の居住性に大きく寄与していました。

ひとつ上のサイズにあたる、アウディQ2は全長4,200mm×全幅1,795mm×全高1,500mmと、160mmもQ2のほうが長くなっています。

そう考えるとA1は5ドア化してもまだ小さいほうですね。

さらに上のアウディA3だと全長4,325mm×全幅1,785mm×全幅1,435と、全幅はQ2のほうが広いですが、全長はQ2よりさらに12cmも長く、A1より30cm近く長いんですね。

フロントマスクは最近のアウディのデザインを凝縮したような密度感。ただしバンパー左右にあるエアインテークはダミーで空気は抜けない。

MAZDA2(デミオ)とほぼ同じくらいのサイズ感と考えると、アウディのラインナップの中でのBセグメント車として新型A1は存在意義があると思います。

ただ、先代A1が5ドアの実用性よりも、コンパクトで可愛いというMINIのようなキャラクターで売っていたことを考えると、個性が薄れた感もあります。

この方向性が吉と出るか凶と出るかは、販売を注視したいですね。

■内装は価格のせいで見る目が厳しくなる

インテリアは10.1インチのMMIナビや、バーチャルコックピットなどインフォテイメントシステムは最新式。

内装ですが、質感は先代A1よりは確実に良くなっているとは言えるのですが、コミコミ500万円を超えてしまうクルマとして見ると辛口にならざるを得ないというのが正直な感想です。

特にこの新型A1では、ポロと同じプラットホームで作られているためなのか、電動パーキングブレーキは非採用でサイドブレーキになっています。

最近では軽自動車にすら電動パーキングブレーキが付く時代にあって、Bセグメントとは言え300万円を超える価格帯のクルマとしては、電動パーキングブレーキは装備しておいてほしかったですね…。しかも今回の試乗車はコミコミで500万円超えますからね。

最大の泣き所は電動パーキングブレーキが非採用な点。

バーチャルコックピットや10.1インチのMMIナビなど、デジタルインフォテイメントシステムに関しては質感が高いとは思います。

ただし、ドアトリムはほぼハードプラ、後席もシートバックポケットはおろか、USBやシガーソケットも無しなど、せっかく5ドアになって居住性も拡大したのに装備が簡素化されすぎている感もあります。

最近のアウディは、価格設定と質感が見合わなくなってきている感がすごくて、これではメルセデスはおろかBMWにも追いつけなくなってしまうのではないかという危機感を感じます。

後席足元はホイールベースが延長されて余裕ができたにもかかわらず、シートバックポケットやアームレスト、充電環境も無いので割り切られているのが惜しい。

さらにはボルボもより低価格で高品質を実現していて、シェアを伸ばしているのでこのままではボルボにすら抜かれかねないとすら思います。

内外装のインプレッションは以下の動画でも配信中!

■走りは面目躍如!

価格に対する内外装の質感については辛口な評価となってしまっていましたが、いざ新型A1を走らせてみると、それらが小さなことと思えるほどに動的質感は高く、心が踊りました。

やはりアウディは走らせてみないとその価値は半分も伝わらないなと。

1.5Lターボエンジンと7速Sトロニックの組み合わせは、ギアをDに入れて走り始めた瞬間からダイレクトにクルマがドン!と前に進みます。

これは久しく忘れていたアウディならではの、ダイレクト感に富んだ味の濃いドライブフィール。フォルクスワーゲンのDSGとも異なる、さらにダイレクト感の強い7速Sトロニックは、1速2速ではやや粗削りな挙動を示すときもあるけれど、それもまた運転する楽しさでもあります。

私はアウディQ2に1年間乗っていましたが、アウディならではダイレクト感のあるドライブフィールが大好きだったので、新型A1のどっしりとしたステアフィールで背中を蹴っ飛ばされるような出足の発進加速に、「そうそう、これだよこれ」と思わずニヤリとしてしまいました。

この動的質感の味の濃さは、ドイツ車勢の中でも特徴的で、BMWやメルセデスの乗り味とも一線を画しています。

コンパクトなのに、大型ラグジュアリーカーに乗っているかのような重厚感は病みつきの心地よさ。

アウディに乗ったことのない人は、価格や内装の質感だけで判断するのではなく、試乗もして動的質感をぜひ体感していただきたいですね。

試乗インプレッションは以下の動画でも配信中!

■ただし安全装備や運転支援装備は注意

動的質感で面目躍如したA1ですが、注意しなければならないポイントもあります。

それは、Q2などの上位車種では装備が用意されている、サイドアシスト(ブラインドスポットモニター)や、トラフィックジャムアシスト(渋滞時アダプティブクルーズコントロールのステアリング制御)は用意がないということです。

全車速追従のアダプティブクルーズコントロールはできますが、レーンキープコントロールが作動するのは60km/h以上のみです。

また、電動パーキングブレーキではないのでクルーズ中に前車に追従して停止した際には、2秒後にはクリープで前に進んでしまうので、ブレーキを踏む必要もあります。

これらの装備面でのデメリットを考えると、個人的には装備が充実しているQ2のほうをおすすめしたくなります。

新発売されたばかりのA1よりも、値引きの条件も良さそうなQ2やA3を購入したほうが、安く上がってしまう可能性も大きく、装備面や質感面でも満足度が高いと思います。

やはり新型A1の最大の欠点は高すぎる価格設定と言えそうです。

一刻も早い、1.0Lの登場の登場と、電動パーキングブレーキの採用に期待したいところです。

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[ドラヨス]
月間100万PVのブログ「ワンダー速報」と、月間100万再生以上のYouTubeチャンネル「ワンソクtube」の管理人。
クルマ買うチューバーを自称し、年に何台もクルマを購入してレビューするスタイルが好評。

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