メルセデス・ベンツ日本は、 新型「GLC」および「GLCクーペ」を発表し、10月3日より注文受付を開始した。なお納車は、メルセデスAMG各モデルは12月頃、その他のモデルは11月頃を予定している。
新型「GLC」、および「GLCクーペ」は、プレミアムSUVとしての特性はそのままに、内外装 デザインを一新。また、対話型インフォテインメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)」と最新の安全運転支援システムを採用している。
【全モデルで9速ATを採用し、優れたエネルギー効率と快適性を実現】
「GLC 220 d 4MATIC」には、Eクラスにも搭載されている、最高出力194PS(143kW)、最大 トルク400N・mを発生する、2.0リッター直列4気筒クリーンディーゼルターボエンジンが 搭載される。従来型のクリーンディーゼルエンジンより高出力化された一方、振動、騒音も低減されており、快適なドライブを実現する。また、シリンダーブロックと、ピストンに 熱膨張率の異なる素材を採用したことや、メルセデス・ベンツが開発した表面コーティングNANOSLIDE®を導入することで、摩擦を低減し効率性を向上しているほか、排出ガス浄化経路の短縮やsDPF(DPF with SCR Coating:選択触媒還元法コーティング付粒子状物質除去フィルター)を採用するなど、排気の浄化にも注力して開発され、欧州において導入されているRDE(実路走行試験)規制にも適合している。
「GLC 300 4MATIC」には、排気量が2.0リッターの直列4気筒ターボエンジンを搭載しており、ツインスクロールターボチャージャーと可変バルブリフトシステム「CAMTRONIC」を採用したことで、低回転から高回転まで伸びやかな加速を可能にしている。従来の「GLC 250 4MATIC スポーツ」と比較して、最高出力が47PS(35kW)向上し、258PS (190kW)を発揮、最大トルクが20N・m向上し370N・mとなった。
トランスミッションは、全モデルで9速オートマチックトランスミッションを採用。 1速から9速までの変速比幅が広いことから、エンジン回転数が大幅に低減され、優れたエネルギー効率と快適性を実現した。また、「GLC 220 d 4MATIC」と「GLC 300 4MATIC」は、前後31:69の固定トルク配分となる4MATICを採用している。
【メルセデス・ベンツのデザイン思想「Sensual Purity(官能的純粋)」を具現化したエクステリア】
エクステリアは、現代的ラグジュアリーを表現しており、細かなエッジやラインを減らして面を強調する等、本質的に重要なものだけを残す質実剛健なデザイン。フロントは、クローム仕上げのアンダーガードと2本のパワードームを備えたボンネットがSUVとしての存在感とパワーを表現しており、ラジエターグリル内に特徴的なツインルーバーデザインが装備されている。
AMGラインを選択すると、標準仕様と異なる台形型のグリルデザインとなり、ダイヤモンドグリルとシングルルーバー、バンパー下部左右に配置された2本のフィンや、シルバークロームのフロントエプロンが装着されるなど、スポーティさを強調するデザインとなっている。リアはバンパーとエグゾーストエンドが一新され、デザインを変更したフルLEDリアコンビネーションランプもまた、メルセデス・ベンツSUVならではのブロックデザインにより、特別なライトシグネチャーを生み出している。リアエンドのデザインは全体として新型「GLC」のパワフルな性格を強調するものとなっている。
【最新のメルセデス・ベンツモデル共通のデザインや装備を採用したインテリア】
インテリアは、スポーティかつ上質なデザインコンセプトを継承しながら、ダッシュボード中央にはナビゲーションやエンターテインメントシステムの表示画面となる、高精細10.25インチの「ワイドディスプレイ」を装備している。ステアリングホイールはSクラスと同じデザインの、メルセデス・ベンツ最新世代の ステアリングホイールが採用されているほか、手を放さずに、ナビゲーションの操作や車両の設定などが行える、「タッチコントロールボタン」や、「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(自動再発進機能付)」を設定するスイッチも備えており、操作性を向上した。また、カラーがゆっくりと変化し続ける「マルチカラーアニメーション」を搭載した「アンビエントライト(64色)」を装備するなど、最新のメルセデス・ベンツモデル共通のデザインや装備を採用している。
【システムを統合的にコントロールし、快適性を向上する「エナジャイジング コンフォート」を設定】
「エナジャイジング コンフォート」(全モデルにオプション設定)は、各種ヒーターやパフュームアトマイザー、シート設定、照明、音楽等のシステムを統合的にコントロールし、快適性を向上する。「リフレッシュ」、「バイタリティー」、「トレーニング」の3プログラムから選択することが可能となっているほか、「エナジャイジング コーチ」機能を使用すると、高度なアルゴリズムに基づき走行時間等を加味したうえで、さらに別売のスマートウォッチを装着した場合は、ドライバーのストレスレベルや睡眠の質などの個人データも活用し、運転手をサポートするモードを 提案する。
また、シートクッションとバックレストのわずかな動きにより、着座姿勢の変更をサポートする「エナジャイジングシートキネティクス」が装備されている。
【対話型インフォテインメントシステム「MBUX」を搭載】
インフォテインメントシステムは、ダッシュボード中央に10.25インチのワイドスクリーンを標準装備。インストゥルメントクラスターの機能を持つ、 高精細12.3インチの「コックピットディスプレイ」は速度計や回転計、ナビゲーションや安全運転支援システムなどの情報を表示することができるほか、表示モードは、クラシック/スポーツ/プログレッシブの3種類からの選択が可能となっている。
また、メルセデス・ベンツ「Aクラス」に続き、新型の自然対話式音声認識機能を備えた、対話型インフォテインメントシステム「MBUX」を搭載。ボイスコントロールは「Hi(ハイ), Mercedes(メルセデス)」をキーワードとして起動する。音声認識機能は多くのインフォテインメント機能(目的地入力、電話通話、音楽選択、メッセージ入力・読み上げ、気象情報)に加え、クライメートコントロール、各種ヒーター、照明など多様な便利機能にも対応している。
【テレマティクスサービス「Mercedes me connect」を標準設定】
自動車が通信することにより、カスタマーの利便性を向上する先進的なテレマティクスサービス「Mercedes me connect」を標準設定している。「24時間緊急通報サービス」などを最長10年間無償で提供する「安心安全サービス」、「Send2Car」などを3年間無償で提供する「快適サービス」の2つのサービスカテゴリーから構成される。
<安心安全サービス>
- 24時間緊急通報サービス:事故検知時(エアバッグ、シートベルトテンショナー展開時)または車内にあるSOSボタン押下時に、コールセンターが消防に連絡する。
- 24時間故障通報サービス:ツーリングサポートが必要な際に、meボタンを押すと ツーリングサポートセンターにつながる。
<快適サービス>
- リモートドアロック&アンロック:スマートフォンの操作で車両ドアのロック、 アンロックが可能。
- リモート(車両)ステータス確認:車両の走行距離、燃料計、平均燃費等の 状態をアプリ等で確認できる。
- 駐車位置検索:駐車した車両の位置をアプリの地図上に表示する。
- Send2Car: スマートフォンから、ナビゲ―ションの目的地を遠隔設定できる。
- ナビゲーションサービス:ナビゲーションの地図上に天気やガソリン価格情報を表示できる。
- USBオンデマンド地図更新:Mercedes meから地図をUSBにダウンロードし、カスタマー自身で車にインストールできる。
【最新世代の安全運転支援システムを採用した「インテリジェントドライブ」を搭載】
新型GLCには、「Cクラス」や「Sクラス」と同等の、最新世代の運転支援システムシステムが全てのモデルで標準装備されており、また、対向車線を横切って右折しようとするときに、対向車線を直進してくる車と衝突する危険がある場合、車速10km/h以内であれば自動ブレーキが作動する「アクティブブレーキアシスト (歩行者/飛び出し/右折時対向車検知機能付)」を、さらなる機能強化として採用した。対向車の検知は、フロントの長距離レーダーセンサーとステレオマルチパーパスカメラを使って行われる。
【「メルセデスAMG 43シリーズ」と「メルセデスAMG 63シリーズ」をラインアップ】
新型「GLC」には、メルセデスAMGが専用開発した高出力V6エンジンと、パフォーマンス志向の四輪駆動システム「AMG 4MATIC」を備えた「メルセデスAMG 43シリーズ」と、トップ パフォーマンスモデルの「メルセデスAMG 63シリーズ」がラインアップされる。
「メルセデスAMG 43シリーズ」は、ターボの大型化と制御の改良により従来モデルより23PS(17kW)高出力化し、最高出力390PS(287kW)となり、さらに伸びやかな加速を実現する。また、高性能エンジンのパワーを四輪に最適に配分するMercedes-AMGが開発した四輪駆動システム「AMG 4MATIC」を搭載しており、31:69とリア寄りのトルク配分により、スポーツ走行時などで強力なトラクションと安定感あるハンドリングを提供する。エクステリアは、「メルセデスAMG 43シリーズ」として初の、縦にルーバーが入ったAMG専用ラジエターグリルを採用した。このグリルは、1952年メキシコで開催された伝説の公道 レース、カレラ・パナメリカーナ・メヒコで優勝したレーシングカー「メルセデス・ベンツ300 SL」で初めて採用された由緒あるもので、リアには新しく、左右それぞれに「ツインラウンドテールパイプ」を装備した。また、新設計のフロント/リアエプロンは、空力性能の向上に寄与している。インテリアには、新たに非常にスポーティなデザインの「AMGパフォーマンスステアリング」を採用している。
「メルセデスAMG 63シリーズ」には、以前から採用されている、縦にルーバーが入った、AMG専用ラジエターグリルを装備し、インテリアには最新のAMGデザインのステアリングホイールが採用されている。さらに、63シリーズの中でもハイパフォーマンスとなるSモデルには、ステアリングホイールから手を離さずに走行モードを変更することができる「AMGドライブコントロールスイッチ」が装備される。右側のスポークの根元に位置するボタンは「Comfort、Sport、Sport+、Race、Individual、Slippery」など、ダイナミックセレクトの走行モードを選択することができ、左側はエグゾースト、サスペンション、マニュアルモード、ESPなどの調整を行うことができる。さらにSモデルに設定される「AMGパフォーマンスパッケージ」には、耐熱性能の強化と軽量化による性能強化を目的とした「AMGカーボンセラミックブレーキ(フロント)」と横方向のサポートを強化した「AMGパフォーマンスシート」が採用されている。また、高性能エンジンのパワーを四輪に最適配分するメルセデスAMGが開発した新しい四輪駆動システム「AMG 4MATIC+」を搭載し、前後トルク配分が50(前):50(後)から0(前):100(後)の範囲で可変トルク配分を行うことで、ハイパワーを四輪へ最適に配分する。また、「電子制御AMGリミテッド・スリップ・デフ」を装備している。
価格(消費税10%込):「GLC」/690万円~1,487万円、「GLCクーペ」/721万円~1,519万円