「有山勝利 の視軸」命を守るチャイルドシート 未使用時の致死率13.4倍に

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警察庁のまとめで、昨年までの5年間に発生した交通事故のうち、チャイルドシートを使用していなかった6歳未満の子供の致死率が、適正に使っていた場合に比べ13・4倍に上ったことが分かった。

チャイルドシートは6歳未満の子供をクルマに乗せる時に使用が義務付けられており、警察庁が日本自動車連盟と共に6月に行った全国調査では、使用率は70・5%であった。

2014~2018年の交通事故で、チャイルドシートを適正に使用していた場合の死傷者数は2万5458人で、そのうち死者は8人。致死率は0・03%だった(警察庁調べ)。

これに対し、未使用の場合死傷者7848人のうち死者は33人で、その致死率は0・4%だった。

以前にインターネットで販売されているチャイルドシートに、未認証のものの安全性が極端に低いことが実証されたとして、国土交通省は大手通販サイトに対し、取り扱いへの配慮を求めたことがあるが、この要請には強制力はなく、販売が継続されていた。

国が安全性を認めた製品には「Eマーク」か「自マーク」が付き2~3万円台が主流。認証マークがないものは2000円程度で売られる場合もある。

チャイルドシートは、祖父母がプレゼントで贈る場合も多いようだが、使用車との取り付け確認なども難しく、また、自動車ディーラーにもっと積極的に取り扱いを期待したいものである。

話は変わるが、シートベルトの後席着用率は日本自動車連盟の調査で、この数年約6%に落ち着いてしまっている。

タクシーでは、乗車時まず聞くアナウンスがあるが、自家用車の同乗時には関係ないと思っているのだろうか。

どうしても着用率が高まらないのであれば、道路交通法の改正時は含まれていなかったが、非着用者の対するペナルティを重くし、同時に思い切って、「身体保護ベルト」あるいは「強制保護ベルト」と呼ぶことにしてはいかがなものだろうか。

 

有山勝利プロフィール

1937年生まれ。1960年に総合輸入車ディーラーに入社、そのまま定年まで殆ど広報作業に従事、依頼により1966年より、ブリヂストン・タイヤニュース、週刊大衆に連載執筆、筆名に有川 浩を使用、月刊自家用車、報知新聞、日刊スポーツ、スポーツニッポン、ディリースポーツ、マイカー情報(札幌)、くるまにあ にも連載、単発は無数。媒体側と広報担当の双方と交友、互助の功を上げた。