遠藤徹の業界ココに注目!SUVテイストのクルマ仕立てはどこまで普及するか?

コラム・特集

5ドアコンパクトハッチバック、ミニバン、軽自動車の分野で、SUVテイストのクルマ仕立てが相次いで登場する趨勢となっている。

これらのベースグレードに専用デザインの内外装、ルーフレール、カラーリング、アルミホイールなどを装備することで、新しい付加価値をつけている。遊び感覚の仕立てといえる。SUVがブームになっていることから、これにあやかりシリーズ全体の販売台数を増やす狙いが見え隠れしている。新しいトレンドを比較的低コストで創り出そうとの試みでもある。

グレードのネーミングは「クロス」「ギア」などを冠しているケースが目に付く。フルモデルチェンジ、マイナーチェンジ、特別仕様車の設定などで対応している。この10月を中心に多くの新顔がお目見えする方向にある。これまで参画しているメーカーはトヨタ、ホンダ、スズキ、三菱自動車の4社であるが、今後はさらに増えるのはほぼ確実といえる。

各シリーズのグレード構成の中では上位に属する。SUVテイストの装備がプラスになり、コストアップしているからである。メーカーや傘下販社にとっては収益が上がるので朗報といえるが、購入するユーザーにとってもプラスになる。カーライフが楽しくなる上、付加価値はそのまま数年乗って手放す時に高い価格がつくので、損をするケースは少ないに違いない。こうした流れがブームになることを期待したい。

こうしたクルマ仕立てが、新車マーケット全体の復活につながる可能性もある。スポーツモデルやカスタマイズモデルも復権の一翼を担っているが、このSUVテイストモデルも、ひとつの大きなブームをつくって欲しいものである。

 

遠藤徹プロフィール

専門分野はマーケット分析、商品戦略、販売戦略、執筆先:ベストカー、ドライバー、ザ・マイカー、カーアンドレジャー、その他週刊誌など。単行本執筆は約20冊

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