遠藤徹の業界ココに注目!本年後半戦は各社間の格差拡大か

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7月の新車販売実績を見ると、今年後半戦の行方が予想できる。自動車メーカー間の格差が顕著になりそうな趨勢が感じられるのである。優位に駒を進めそうなのは常に新商品を投入し、新型車効果を期待し攻勢をかけようとするスタンスのあるメーカーや傘下ディーラーである。

逆に小幅改良や追加モデル、買い得キャンペーンなどでカバーしようとしているところは、厳しい状況に置かれている。たまたま新型車投入のタイミングが谷間になっているケースもあるだろう。

しかしながら、量販戦略モデルを発売してから6年以上もそのままにして、小幅改良や安全対策の強化だけで対処しているメーカーも見受けられる。技術や開発力を持ちながら、手をこまねいて実践しない姿勢でいるのは残念である。

今年後半はその違いが余計にはっきりする可能性が強い。積極的な姿勢を見せようとするメーカーは、戦略モデルの投入でさらに攻勢をかける方向にあるので、成功率は高くなるはずである。

新車市場のプラス、マイナスに大きな影響を与えそうなのは、10月の消費税引き上げである。7月実績では駆け込み需要に支えられ、プラスになっているメーカー&系列店もあるが、それでもまだプラスにできないところもある。マイナスの要因は、いずれも戦略ニューモデル不足であることがすぐに分かる。同じようなことが、後半にはさらに明確になるのは必至である。

7月の実績でちょっと気になったのは、軽自動車が僅かなマイナスに転じたことである。8月以降は有力2モデルの新型車がフルに寄与するはずだから、プラスに転じることを期待したい。それでないと年間で200万台回復が不可能になる。

 

遠藤徹プロフィール

専門分野はマーケット分析、商品戦略、販売戦略、執筆先:ベストカー、ドライバー、ザ・マイカー、カーアンドレジャー、その他週刊誌など。単行本執筆は約20冊

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