家族で行こう! きままにクルマ旅(2019年4月 紙面掲載)
トヨタ カローラフィールダーで 本庄市史跡&文化財巡り

レジャー ドライブ

文・写真:吉田直志(automobile columnist)

群馬県との県境に接し、関越自動車道の本庄児玉ICとしても、耳馴染みのある本庄市。かつては中山道最大の宿場町として栄えた地であり、現在でも様々な文化財や史跡が残っていることはあまり知られていない。そんな本庄市をトヨタ「カローラフィールダー」で巡ってみることにした。

 

間瀬湖

本庄市へのアクセスは関越自動車道の本庄児玉ICを利用するとすぐだ。今回のドライブの目的地とした本庄市は北は利根川から、南は荒川が流れる長瀞近くまで広がり、まさに河川敷から山間、そして、かつての宿場町と、さまざまな表情を楽しむことができる地だ。

最初に山間にある「間瀬湖」を訪れることにした。ダム湖までの県道287号線の道幅は決して広いとはいえず、どこか心許なさも感じたが、逆にいえばひっそりとした雰囲気の中にあった。湖畔の道はすれ違いが難しいところもあるが、桜の木の間から見える湖面がまた美しく、誰にも教えたくないという隠れ家的な雰囲気があった。取材当日はへらぶな釣りもまだ盛んではない2月上旬だったため人影もまばらだったが、ここは、ヘラブナ釣りのメッカであり、さらには桜の名所として有名なスポットで、シーズンになると多くの人が訪れるという。

間瀬湖とトヨタ・カローラフィールダー

へらぶな釣り場として有名な「間瀬湖」。4月になると桜が咲き誇る

 

本庄市街

続いて向かったのは、市街地にある文化財スポット。ここ本庄は、江戸時代は中山道の本庄宿として、そして、近代は養蚕製糸が盛んな街として栄えた地であり、現在でも旧中山道や児玉駅周辺には多くの史跡や文化財が残されている。

その中でまず訪れたのは「塙保己一記念館」。江戸時代の国学者である塙保己一は盲目ながらも全66冊にもなる群書類従を編纂し、この記念館には、彼の遺品や関係資料が展示されている。それほどに広くはない館内ながら、実に分かりやすく、また興味を引く展示や解説がされており、いつしか時間が過ぎるのを忘れてしまうほど、魅力的な記念館だった。

塙保己一記念館

「塙保己一記念館」。3年前に完成した建物はモダン

近くには、昭和初期に建てられたモダンなデザインが印象的な「児玉町旧配水塔」、明治時代に養蚕の普及、技術の改良にと建てられた「競進社模範蚕室」などが、住宅街の中に取り残されるように点在している。いずれも保存方法も、展示方法も凝っており、是非、足を運ぶことをオススメしたい。

児玉町旧配水塔

市街地にある「児玉町旧配水塔」。全高は17m、昭和6年建造。現在は使われていない

競進社模範蚕室

明治27年、養蚕技術の普及を目指して建てられた「競進社模範蚕室」。見学は外からのみ

本庄市はこうしたと旧跡が多く残っているだけではなく、実は、新しい施設も多く建ち並んでいる。今回は訪れなかったが、最近人気の工場見学施設として、赤城乳業・本庄千本さくら「5S」工場、宅配水業務行っているクリクラミュージアム(工場)があるし、本庄市からは飛び出してしまうが、隣接する児玉郡には、スイーツのテーマパークを謳う上里カンターレなどもある。

そう、実はこの地域、ドライブスポットとしては1日を十分過ぎるほどに楽しめる。ちなみに、上里カンターレは、関越自動車道の上里SAそばにあり、SAにクルマを停めて歩いて向かうこともできるし、また、上里SAにはスマートICが設置されているため、すぐに関越自動車道へと乗ることもできる。

カフェナポリのペペロンチーノ

関越自動車道・上里SA上り線のそばにある上里カンターレ内の「カフェナポリ」にて、彩りの国黒豚の味噌漬けと長ネギのペペロンチーノ上里鶏卵の温泉卵のせ(600円)

 

坂東大橋

ドライブの締めくくりとして、埼玉県と群馬県を結ぶ坂東大橋周辺の河川敷を訪れた。ここはフラットダートと公園が広がった地で、いわゆる観光スポット的な何かがあるわけではないが、悠々と流れる利根川、夜にはライトアップされる坂東大橋、遠くに見える赤城山など、パノラマを楽しむにはもってこいだ。

坂東大橋とトヨタ・カローラフィールダー

利根川河川敷からの景色。向こうに見えるのは埼玉県本庄市と群馬県伊勢崎市を繋ぐ坂東大橋

今回のドライブに連れ出したカローラフィールダーは、ガソリンエンジンモデルだったが、パワーに不足を感じさせることなく、また、その乗り味も快適性を優先しながら、速度域を上げていくと意外にもハンドリングを楽しめるキャラクターを持ち合わせていた。もちろん、ステーションワゴンとしての積載性にも長けており、まさにドライブ向けの1台であることを再確認できた。

積載性に優れたステーションワゴンボディながら、全長は4400㎜とコンパクト。もちろんボディは5ナンバーサイズ
水平方向のラインにより伸びやかさを、センタークラスターを強調した加飾パネルにより力強さをデザイン
快適性を感じるフロントシート。シートリフター付。サイズも不満なし
くつろげると表現したくなるリヤシート。足下スペースも不足なし
6:4分割可倒式リヤシートをアレンジすれば、ラゲッジスペースは最大で奥行き2025㎜、容量872Lを確保

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ドライブデータ

試乗車=トヨタ カローラフィールダー 1.5G
パワーユニット=ガソリンエンジン1496cc、Super CVT-i(自動無段変速機)、FF
乗車定員=5名
全行程走行距離=約250km

 

立ち寄りスポット[マップコード]

・・間瀬湖[150 853 820*25]
・塙保己一記念館[20 075 444*43]
・児玉町旧配水塔[20 076 153*84]
・競進社模範蚕室[20 076 523*23]

※「マップコード」および「MAP CODE」は、株式会社デンソーの登録商標です。
※ナビの機種によっては、高分解能マップコードに対応していない場合があります。

 


プロフィール

吉田直志automobile columnist)
四輪駆動車専門誌、デジタルカルチャー誌の編集部を経て、フリーライターに。現在は新型モデルの評価を軸に、自動車雑誌のほか、ファッション誌にも寄稿。

(本稿は2019年4月に新聞「週刊Car&レジャー」に掲載)

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