家族で行こう! きままにクルマ旅(2017年3月 紙面掲載)
マツダ CX-5で巡る 大谷石の故郷・宇都宮

レジャー ドライブ

文・写真:吉田直志(automobile columnist)

街を歩いていると、かつては大谷石を使った外壁をよく目にしたものだが、最近ではあまり目にすることがなくなった。今回のドライブは、そんな大谷石の今を探ろうとその産地である栃木県宇都宮市大谷町を訪れることにした。ドライブの相棒に選んだのは、昨年末にデビューしたばかりのマツダ「CX-5」。走りから快適性に至るまですべての質感を高めており、まさに心に残る宇都宮ドライブとなった。

意識的に街を眺めてみると、確かに大谷石を使った外壁や建物を目にすることは少なくなっていることに気付いていただけるはず。軽量であること、加工がしやすいことから、かつては多用された建築資材だったが、昨今では、それに代わる素材が出てきたこともあって、活躍の場は少なくなっているようだ。そんな大谷石の産地である大谷町は、宇都宮市街地の西側に広がっている。都心からのアクセスは東北自動車道・宇都宮IC、もしくは鹿沼ICを利用するとすぐにたどり着ける。

今回は宇都宮ICまで走り、まずは「道の駅 うつのみやろまんちっく村」を訪れることにした。この道の駅は、イメージされている一般の道の駅とは異なり、東京ドーム10個分となる46haもの敷地に広がり、そこを大きく森、里、集落というエリアに分け、非日常を楽しめる滞在体験型ファームパークとしている。また、宿泊施設から温泉、プールまで備えており、まさに1日を過ごせるスポットとなっている。駐車場も1000台分が用意されていることからも、その広さ、規模が伝わってくる。

東京ドーム10個分となる46haの敷地を生かした滞在体験型ファームパーク「道の駅 うつのみやろまんちっく村」。農産物売り場や食事処のほか、体験型農園、温泉やプールまである

多目的体験ドームローズハット(熱帯温室と屋内遊技を備える)。そのほかに森のエリアには散策コースも用意されている

大谷町は、その道の駅から南へと5kmほど、時間にして10分ほど走ると到着できる。採石場跡地を利用した「大谷資料館」は野球場一つがすっぽりと入ってしまうほどの広さがあり、コンサートや展示会といったイベントに利用されることもあるとか。ちなみに、館内は年平均気温8℃とのこと。

この大谷資料館周辺を走っていると、当たり前のように大谷石が使われた建築物が多く残っており、その建築方法も様々で、見どころとなっている。川沿いに大谷石の壁が続く「大谷景観公園」、天然の洞窟にある「大谷寺(要拝観料)」、大谷公園内にある大谷石の岩壁に彫られた平和観音像(27m)といったスポットがある。

東武宇都宮駅近くにある「松が峰教会」。昭和7年に創建された聖堂は大谷石が多く用いられており、まさに一見の価値あり

また、大谷町ではなく宇都宮市街地となるが、教会の聖堂に大谷石を使った「松が峰教会聖堂」も是非訪れたいスポット。ロマネスク様式によって建築された聖堂は、外壁はもちろん、内壁にも大谷石が多く使われており、また、そこに施された細かな意匠などにも特徴がある。

赤川ダムを中心とした森林公園で、園内にはサイクリングコース、ハイキングコース、キャンプ場などがある

大谷町から西方向へと走ると、サイクリング、トレッキング、さらにはキャンプまで楽しめる「宇都宮市森林公園」がある。ちなみにキャンプ場以外にも宿泊施設「湖森館」があり、アウトドアの支度をせずとも誰でも気軽に自然を愉しむことができることもポイントだ。

かなり大柄に見えるボディは、全長4545mm、全幅1840mm、全高1690mmと、イメージとは少々異なる。ボディカラーはさらに「深」化したソウルレッドクリスタルメタリック(7万5600円高)

今回のドライブに連れ出したCX-5は、ディーゼルエンジンがもたらすゆとりと快適性、さらにスポーティであることすら感じるハンドリングなど、そのポテンシャルは先代よりも大幅に進化していた。気になる燃費は、カタログ燃費値である17.2km/Lを超える18.3km/Lを記録。高速道路走行が多かったこともあるが、交通量の多い宇都宮市街地を走ったり、スポットをあちこち巡っての結果であることを考えると、優秀な値と評価することができる。

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ドライブデータ

試乗車=マツダ CX−5 XD Lパッケージ
パワーユニット=ディーゼルターボエンジン2188cc、4WD、6速AT
乗車定員=5名
全行程走行距離約=約357km

立ち寄りスポット[マップコード]

・道の駅 うつのみやろまんちっく村[132 475 631*13]
・松が峰教会[39 481 544*76]
・宇都宮市森林公園[132 410 697*20]

※「マップコード」および「MAP CODE」は、株式会社デンソーの登録商標です。
※ナビの機種によっては、高分解能マップコードに対応していない場合があります。

プロフィール
吉田直志/automobile columnist
四輪駆動車専門誌、デジタルカルチャー誌の編集部を経て、フリーライターに。現在は新型モデルの評価を軸に、自動車雑誌のほか、ファッション誌にも寄稿。

(本稿は2017年3月に新聞「週刊Car&レジャー」に掲載)

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