軽量ボディを手ごろなパワーで楽しめる ルノー・トゥインゴ ゼン(5MT)試乗記

試乗レポート

〝パリ仕立て〟のコンパクトカーとして上陸したルノー・トゥインゴは、かわいらしいルックスに、内外装のポップな色合いで〝おしゃれぶり〟を振りまいている。

現在4グレードが導入され、うち3グレードのパワーユニットは、0・9Lターボ+6速EDC(デュアルクラッチトランスミッション)で、残る1グレードが1・0㍑NA+5速MTという組み合わせ。

 

その5速MT版に試乗したのだが、正直にいうと筆者も久しぶりのMT。しかし、アクセルの踏み込み加減で全てが解決するATとは異なり、もう少し引っ張ってからシフトアップ、追い越し時にはシフトダウン…と、状況に応じて自分でギアを選び、両手足を使ってクルマを走らせる。忘れていた楽しさを蘇らせてくれた。こう書くと、なんかオジサンの郷愁を誘うクルマと思われがちだが、若い世代の人もクル  マと対話しながら、楽しくキビキビ走れるクルマだと思う。

 

1.0L NAエンジンは最高出力71PS、最大トルク9・3㎏m。圧倒的なパワーはないし、2850回転で最大トルクだから、ある程度引っ張らないとスピードに乗れない。だが、この〝手の内感〟ともいうべき、クルマの性能をフルに引き出して走れるのが心地よい。コーナーでも不要なロールは抑えられ、しっかりとした乗り味だ。

トゥインゴの全長は軽自動車より22㎝長い程度。回転最小半径は4・3mと、取り回しの良さは軽並み。また、車重は1tを切る960㎏と、軽快に走る。白で縁どられたシートや、白と黒のコントラストが映えるインパネにはボディカラーの挿し色が入る。こうした色づかいはフランス車の独壇場ともいえる。

人間とは実に欲深で、こうなると0・9㍑ターボで5速MTとの組み合わせが気になってくる。特別仕様車として限定販売されたと記憶しているが、ぜひ乗っていたいパッケージだ。

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